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第14話

満と航と別れた後、とりあえず指定の駅まで行こうと電車に乗る。 セレブな2人とは違い俺は電車かバスを普段から利用していた。 ICカードを自動改札機に当ててのんびりホームへ向かう。 こちらに越してきたばかりの頃は電車なんか乗ったことが無かったのでよく満にバカにされたなとどうでも良いことを思い出す。 そもそも俺の生まれ育った瀬戸内海に浮かぶ小さな島には電車などあるはずもなく、路線バスもよく見る大型バスや観光バスといった大きなものではなくマイクロバスみたいな物が走っていてバス停ではなく好きな場所で降りられると言ったバスとは名ばかりの代物だった。 島から飛び出してからはじめて大きなバスを見た時も驚いたものだ。 とりあえず改札の内側にあるドラッグストアに行って日用品を物色する。 「えーっと。シャンプー類はまだあるし、ボディーソープ類は少なくなってきてたかな?洗剤類はまだあったから…」 ぶつぶつと商品を見ながら携帯にメモを取っていく。 メモした物は後日買ってもいいし、忙しければ瀬戸さんに言えば買って持ってきてくれるのだ。 研修が始まってからはカイには買い物なんて無理なので買ってきて貰うことが多くなったので、まとめて言うようにしている。 新商品や気になるものをチェックしながら店内をゆっくり1周した後、ペットボトルの飲み物を買ってからやっとホームに向かう。 都会の電車は5分おきに来たりと間隔が短いが、少しのんびりし過ぎた様で航達と分かれてから軽く1時間程経ってしまった。 一応満には今から向かうと連絡を入れる。 「ここかな?」 指定の駅について少し歩いた所にいかにもといったホテルがあって、看板を見るとこのホテルの様だった。 普段使う高級ホテルよりいかにもそういった目的のホテルというのが分かる安っぽさがある。 逆にこういった安っぽいホテルの方が航にはダメージがあるからわざわざこんなに分かりやすい安宿に来たのだろう。 一応ホテルの前で到着のメッセージを送ると部屋番号と扉の前で待ってるとメッセージが返って来た。 指定された階へ向かうエレベーターは少しムードを出しているつもりなのか少し暗い。 「本当に来たんですね。誉も罪な男ですねぇ」 「お前から見に来ないかって誘った癖に、何言ってんだよ」 「まぁいいですよ。ちょうど準備終ったところですから」 満はふふふと不敵に笑うと部屋の中へ入っていく。 俺もそれに続くと、やはり部屋の中は独特の熱気を帯びていた。 部屋の中は普通のマンションの様に玄関に当たる段差があり、そこには航の靴であろう有名高級ブランドの靴がきれいに揃えて置いてあった。 満は気にせず靴を適当に脱いであがったので、俺も適当に靴を脱ぐ。 自分の靴だけ揃え満の後に続くと、部屋の中からはぐちゅんぐちゅんという水音とふっふっという短く息を吐いているのが聞こえてくる。 「上手に後ろほぐせてますか?」 「んっ、んぉっ」 「あらら。すっかり一人で気持ちよくなっちゃってますね」 そこにはベッドの上で大きく仰向けに寝転がった状態で足を開いた体勢で自慰にふける航の姿があった。 目はアイマスクをつけられ、しかし手も足も自由に動かせる様に拘束等はしていない。 そんな状態で航は尻に太い器具を抜き差ししていた。 航が玩具を抜き差しする度にぐちゅんぐちゅんという音が部屋に響いている。 満は航に近付くと無言で顔を近付けキスをした。 「んっ、んっんぁっ」 「キスしたらすっかりメロメロで手が止まってますよ?」 「やめっ、やめて…」 舌を絡ませている間、航の手が止まってしまった。 当然それを満が許すわけなく、玩具の底を握ると抜けるギリギリまで引き抜いて勢いよく押し込むのかと思いきやゆっくりと身体の中に玩具を押し込む。 大きく開いた足が小刻みに揺れているが、満がまたディープキスをしながらゆっくりと玩具を今度は引き抜いた。 じゅぼっと下品な音が部屋に木霊する。 「ひぎっ!」 「こんなに大きな玩具も咥えられる様になったんてすね。は勤勉でいらっしゃるから自主練習も欠かさないですものね?」 「それは…お前のだか…らぁ」 「あれ?私はルールなんて作ってませんよ?私との条件は“あなたの身体だけください”としか言ってませんし、しかもでしたよね?お尻の開発も別に絶対ではなかったでしょ?」 「そんな…そんなわけない!だって…だって」 満に小さく抵抗しているが、そんな満の手によって穴の縁を人指し指で左右に割り広げられている。 真っ赤な体内が遠目からも見えた。 満の言葉に航が明らかに動揺している。 「あぁそうですか。この関係も長いのに私は鈍感だったみたいですね。気が付かなくてごめんなさい。“ルールで縛られていないと保てない”んですね」 「ち、ちがっ!」 「では今から航は私の命令は絶対です。私に身体を求められれば何処ででも身体を差し出すんだぞ?」 「そんな…それは前からで…それに口調が?」 「今度あるテニスの試合の時もですよ?このスケベな乳首にニプレス貼ってウエアから透けさせながら大好きなアナルビーズ入れて試合しろ。見に行ってやるから」 「やだっ!やめっ」 満は航の乳首を思いっきり根元からつねり、グリグリと指で潰す。 そして何処から取り出したのか大小大きさの違う球体が連なったアナルパールを航の尻に埋め込んでいく。 航の上半身を起こしてやりベッドの下に座らせると満がおもむろにスラックスと下着を脱いで下半身を露にした。 目隠しをしている航にも分かる様にペニスを顔に押し付ける。 「私は優しいから命令は絶対だけど、決定権は航にやるよ」 「どういうことだ…」 「ふふふ。涎垂らして物欲しそうにしてどうしたの?舐めてもいいんだぞ?」 「だって…命令は絶対って…」 「今日みたいに呼び出したり服装の指定や前戯までは命令だけど、その後セックスしたりペニスを舐めるかは航が決めるんだよ?」 満は至極当然のように言い放つが、端から聞いていると矛盾だらけだ。 “命令は絶対”なのに、“決定権は航にある”の時点で支離滅裂すぎる。 これは相当舞い上がっているのかも知れない。 航の顔の上に乗ったペニスが硬度を増した様でそれに煽られた航の尻が自然と小刻みに揺れ始める。 「決定権はあるからって、逆らったらかわいいかわいい弟くんにお兄ちゃんはこんなに淫乱なんだってばらして一緒にしてもいいな」 「え…」 まさかカイの事を言われると思っていなかったのか航の動きが止まった。 俺もカイを引き合いに出されたので思わず満をぎろりと睨む。 しかし、そんな俺を見て満は笑った。 「ふふふ。それか誉にこの姿見て貰うのもいいな」 「そんな…」 「親友のこんな姿見たら誉はどう思うかな?乳首勃起させながらアナルパール美味しそうに咥えこんで、ペニスの匂い嗅ぎながら腰ふって男に身体を好きにされる姿なんて見たら?」 「あっ、あぁ…」 俺を見ながら言い放った満に、俺はため息をつくのをなんとか我慢する。 そもそも現在進行形で俺見てるし、それに満と航の関係知ってるしと内心思っているとそんなチープな言葉でも航には効果があった様だ。 言葉に煽られて航が震えだした。 薄々気が付いてはいたが、航の父親である院長の血をひく兄弟は2人ともマゾっけがある。 父親を筆頭にその血は顕著な様だ。 今も航は躊躇いながらも満のペニスを咥内へ招き入れている。 「おしゃぶりも最初の頃に比べたら飛躍的に上手になったな。おうちで自主練習してた?」 「んもっ。んぼっ」 「そんなに必死に舐めなくても、私は逃げていきませんよ?そうか。最初の頃はよく“検温”しあってたからそれもあるのか」 満は航の頭を撫でながら懐かしむ様に言うが、明らかに声のトーンと現状が合っていない。 しかも満が最初に航に手を出したゼミの飲み会の時から2年以上経っているのに未だに関係が続いていることに今更ながら驚く。 そりゃカイも益々可愛くなるはずだと俺は納得する。 俺がうんうんと頷いていると、満が航の頭をぐいっと押して遠ざけた。 「航くんお口の中が少し熱いですねぇ。お熱が出てきたんじゃないですか?」 「は、はい。先生…俺の直腸もけ、検温して…ください」 俺が物思いにふけっていたら謎のプレイがはじまってしまった。 航になんてプレイさせてるんだって思ったが、本人同士が納得してるなら俺はただ見てるだけでしかない。 航は手探りでベッドにあがり、ベットの縁で正座をしたかと思うと上半身を倒した。 するとベットの縁からは航の折り畳んだ足先と下半身が出ている状態になった。 当然航の孔からはアナルパールの取っ手が飛び出している。 「では、直腸内にある異物をご自身で排泄してみてください」 「あ、あぅ。はい…」 満が航の尻の丸みを撫で、アナルパールの取っ手をつつく。 すると、航は少し言葉に詰まるも尻に両手を添えて腹に力を入れたのか息をつめる。 口調はあくまでも患者に接する様に優しげだが、言っている事はとんでもない。 こんなことそもそも患者さんには言わないし、医者の仕事ではないだろうなと航の力の入って丸まった足の指を見ながら思う。 「航くんお手伝いしますねぇ」 「やめ…うぐっ、おあぁぁ!!」 アナルパールの引き出に手を掛けた満が勢いよくアナルパールを引く。 下品な空気を含んだ音を立ててアナルパールが抜けていく。 ぽっかりとアナルパールのせいで拡張された孔はひくんひくんと収縮をしているが、なかなか元に戻らず大きく口を開いている。 「では検温の前に、ちょうど肛門開いてますので前立腺触診していきますねぇ」 「ひぎゅっ!」 「大丈夫ですよぉ。硬結はないです。ぷにぷにしてて程よい弾力があるので、健康ですよぉ?」 「は、はひ!ありがとう…ごじゃいましゅ」 なんだこれと素直に思う。 リアルお医者さんごっこを見せられている俺は複雑な気分だった。 一応患者さんに対する接遇なんてものもあるが、これは完全なる満の悪ノリだ。 触診は感染の危険性などの観点から素手でなんて絶対しないし、観察は専用の器具を使うのであんな大人の玩具と言われる物は使うはずもない。 「では検温しますねぇ」 「うっ!まって…イクッ!イグからとまってぇぇ!」 「あらら。相当我慢してたんですね」 孔へペニスを近付け挿入する満に航が絶叫して、ベッドから垂れているシーツにシミができる。 遠目からでは分かりにくいが、液体に光が当たって光っているのが見えた。 そんな様子を見ていると、携帯が微かに震え画面を確認するとセットしておいたアラームが鳴っている。 俺はくるりと踵を返して部屋を後にした。 俺もこれから将来の夢の為に“お仕事”の時間だ。

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