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第17話

俺はもらった札束をベッドに腰掛け丁寧に数えていく。 指で紙を弾く音が心地良い。 上下反対にしてからもう一度確認して木下に向けていつも以上ににこりと満面の笑みで笑ってみせる。 「では確かに」 「次はいつになる?」 「いつでしょうね?明日からまた担当科が変わりますしねぇ?忙しいのはご存じでしょう?」 「いや…それは…そうなんだが」 俺が札束をバッグに片付ける為にベッドから立ち上がると、行かせまいと腕を掴まれた。 俺はその手を振りほどきもせず振り返り少し屈んでちゅっとバードキスをしてやる。 それから子供にするように頭を掴まれていない方の手で撫でてやってから口を開く。 「待っていた方がずっとずっと気持ちよくなれますよ?いい子に待てますよね?」 「あ、あぁ!待てるとも!」 「いい子ですね。それなら別料金でもう少ししますか?元気ですねぇ…どこがいいですか?口?胸?腹筋?それとも?」 子供をあやすように言ってやると大きく首を縦に振り待てると言ったが、俺の提案にはごくりと喉を鳴らしている。 ひとつひとつ指を指しながら口から下へと指示を移動させていくと、木下の視線もゆっくりと下に降りていく。 太股にはまだ中を洗浄していないので木下が胎内に放った精液が滴ってきている。 身体の向きを変えて尻の肉を少し持ち上げて孔を見せたところで腹に少し力を入れ、括約筋を意識しながら肛門を少し緩めると精液がこぽりと音を立てて出てきた。 木下がそれに見惚れているのかなんなのか掴んでいた手を離したので俺はベッドから少し離れた場所にあったソファーの上にある自分の鞄の中へ札束を片付ける。 前屈みになるとまた精液がごぽっと溢れてきたが不快に思いつつも気にしないことにした。 「本当にいいのかい?」 「ええ。勿論タダではありませんけどね?」 風呂にでも行こうかと考えていたら、木下がやっと近付いてきた。 お互い裸だが俺は別段恥ずかしくもないので木下に近付き少したるんだ腹を撫でてやる。 散々搾り取ってやったのに、期待してかもう半勃ちになっているペニスを下から持ち上げてやった。 睾丸を持ち上げるとまだ少し重い。 俺はクスクスと笑いながら睾丸を軽く揉みながら木下の乳輪の周りを人差し指でくすぐってやる。 こんな挑発にもぴくんぴくんと身体を震わせるので、面白くて木下の乳首に舌を這わせてやった。 どんどん木下の下半身に熱が集まってくる。 俺はわざと口元で指を輪にしてその輪から舌を出してチロチロと動かして挑発をしてやった。 「ここに…」 「ええ。喜んで」 俺の腹の上を撫でた後に抱きついてきて尻の肉を揉んできた。 まるで甘える猫の様に俺の首筋に頬擦りをしてるくのが少しウザイ。 しかしそんなことおくびにも出さずに頷いてやった。 木下が立ったままをご所望だったので、ソファーの背もたれに手をついて腰を少し上げてやる。 もう出ないと言っていたくせに、木下のペニスが俺の尻の割れ目に押してられた。 孔から溢れてきている精液の滑りを借りて木下のペニスの切先が孔に押し当てられると、忌々しい事に身体がそれに吸い付く様に動く。 ちゅっちゅっと音がしてしまうが、俺は少し後ろにさがると木下のペニスが胎内に入ってくる。 「んんっ」 「気持ちいいですか?」 腹に力を入れて木下のモノを締め付けると、木下から声があがって気分がいい。 俺がゆるゆると腰を動かしてやると、俺の腰を掴んで大きく腰をグラウンドさせはじめた。 パンッパンッと肌がぶつかる音が部屋に響いている。 木下の息遣いかどんどん荒くなっていくが、俺は更に腹に力を入れると木下が情けない声を出して絶頂をした。 元気だなぁと呆れにも似た感情が沸き上がってくるが、まだペニスに硬度があるので腰を動かしてやると木下が抵抗をしはじめる。 そんな事など当然お構い無しに力一杯括約筋に力を込めると木下から泣き言が聞こえた。 流石に笑いが堪えきれなくて笑ってしまう。 「流石に雑魚すぎませんか?ざぁ~こ。ほら早くピュッピュッして私にお金払ってくださいよ」 「そ、そんな事言ったって…」 ぐちゅぐちゅと木下が動く度に濡れた音がするが、流石にもう出ないのか逃げ腰になっている。 流石にもう一回は無理かと木下のペニスを抜くとゴポゴポッと緩んだ孔から精液が逆流して床に落ちた。 流石に俺の身体も更なる快楽を拾わない訳ではないので身体が震えてしまうし、乳首もピンッと上を向いているが木下はそれどころではないらしい。 俺の孔から溢れる精液に釘付けだ。 「また連絡待ってるよ」 「はいはい。それでは…」 風呂に入って腹の中を綺麗にしてからホテルを出た。 ちらりと木下の車に乗る前に駐車場を見ると、満の車がまだ停まっているので、今日は宿泊でもするのだろうか。 しかし、木下は満の車を知らないので俺が何を見ているのか理解できないようだった。 家の場所は教えて居ないので最寄り駅の2駅前の駅のロータリーで木下と別れる。 別れる前に手の甲にキザにキスをしてきたが、別れた後すぐにトイレに行って手を洗った。 しかし、今日だけでかなり稼げたので俺は上機嫌で電車に乗った。 瀬戸さんからもカイは大人しく今日は寝たと連絡が来たので俺はひと安心だ。 「やぁ櫂くん久しぶりだね」 「満兄さん!」 木下の接待をしてから1ヵ月程経った頃、カイが珍しく航のテニスの大会を見に行くと言い出した。 何でも満に誘われたらしいが、ふとホテルで満がそんな事を言っていた気もすると俺はぼんやり思い出す。 運動神経が皆無のカイはスポーツ観戦にも興味がないと思っていた。 満からの誘いと言うのが気に食わないが俺もカイが心配なので一緒に行くことにする。 今日は観戦するのには少し日差しが強い気がするので、カイ用の日焼け止めや日傘、航の差し入れとカイの熱中症対策にスポーツドリンクをクーラーバッグに入れて持ってきていた。 現在俺達は航の試合を大人しく日陰で観戦している。 カイには首に冷感タオルに日陰だが念のために帽子、照り返しで目が焼けるのでサングラスを装備させている。 正直ここまでしてテニスを見たいかと疑問に思うが、カイは興味深そうにボールのラリーを目で追っていた。 「ほらカイ…水分補給しなきゃ熱中症になっちゃうよ」 「うん」 コートチェンジ中にカイにスポーツドリンクのキャップを開けて渡してやる。 カイはコートに釘付けなので、落とさない様にわざわざ手に握らせてやったが気にとめにいない。 ちゃんとカイが飲み込んだのを喉の動きで確認してから、俺もキンキンに冷えた飲み物を取り出す。 少し飲んだところで横からペットボトルを奪われる。 俺の飲みかけの飲み物を平気で奪っていくのなんて満しか居ない。 俺は反論するのも馬鹿馬鹿しくてハンカチで額の汗を拭いた。 コートでも航が汗を拭いているが、真っ白なテニスウェアの胸元にハートの様な模様が透けて見える気がする。 じろりと満の方を見るとニヤニヤとしながら航の方を見ているので呆れてしまった。 反対側に居るカイを見ると別に気が付いた風でもない。 「試合なのにあれは可哀想だぞ」 「何を言ってるんですか?本人が進んで着けてるんですよ?」 俺がこっそりと満に言うと、何でもない様に言い放った。 こいつは何で揺すったら航自らが明らかにプレイ用のハートの形をしたニプレスを着けてテニスの試合に出たと言っているのだろうか。 この様子なら腹にも何かを仕込んでいるのだろう。 航の試合を今まで見たことはなかったが、腹に何かを仕込まれている様子を微塵も感じさせない試合展開だ。 汗をかいたせいなのか周りからニプレスについてヒソヒソと話しているのが聞こえるが、満はその声が聞こえているようで航を見ながらニヤニヤとしている。 俺は大きくため息をついてカイが持っているスポーツドリンクのペットボトルを手から取ってクーラーバッグへ戻す。 満もいつの間にか飲みかけの水をクーラーバッグに戻していた。 「お疲れ様。残念だったな」 「誉!櫂も!応援に来てくれてありがとう。確かにあとちょっとだったな」 航の試合が終わったので、俺達は更衣室の近くに来ていた。 試合が終わると各自解散になるらしく、更衣室から航が出てきたところで声をかける。 俺に気が付いた航はにこりと笑顔を見せて、完全防備のカイも見つけると更に嬉しそうにした。 しかし、俺と櫂の後ろに居る満の姿が目に入ったのかびくりと肩を跳ねさせる。 しかしここでも空気を読まないカイがフンフンと鼻息荒く満の手を取って満の前に連れていく。 「ルール分から無かったけど、満兄さんがルール教えてくれたんだ!」 「そんな対した事じゃないよ。ねぇ?航くん?」 「あ、あぁ…」 興奮気味に話すカイに向けて満がにっこりと笑うが、航にはねっとりとした視線を送る。 じっと胸元辺りを見る満の視線から逃れる様に下を向いた航に俺は助け船を出した。 「そうだ。これ差し入れ!汗かいただろ?」 「そ、そうだな!確かに!」 俺が差し出したスポーツドリンクのペットボトルを受け取って焦った様にキャップを捻る。 何かを誤魔化す様にそれをあおるが、急いだせいで当然ながら噎せてしまっていた。 カイはそれを見てオロオロとしていたが、俺が背後に回るよりも早く満が航の背中を擦る。 当然航は驚いて更に噎せるが、それを優しく満が擦っていた。 「そういえば満兄さんパーティーの時も具合悪くなった兄さん助けてくれてたよね」 「先月の話だね。よく覚えてて櫂くんはお兄さん思いだよね」 「えへへ」 満に誉められてご機嫌になったカイが俺の方に向いて手を握ってきた。 多分俺って凄いでしょって気持ちなんだろうなぁと感じたので帽子の上から頭を撫でてやったら更にご機嫌になった。 そろそろ満のプレイの引き立て役になるのも疲れるのでカイを理由に帰らせてもらおうと思う。 「ここは暑いしそろそろ帰ろうか。航一緒に帰るか?」 「あ、あぁ…」 「いえいえ。航くんはこの後私と”約束をしているのでお先どうぞ」 「えー。いいな兄さん達!俺も遊びたい!」 ここでもカイが空気を読まなかったが、悔しい事に満に説得されてその場で別れた。 俺は悔しくて家につくまでカイを後ろから抱き締めてぬいぐるみを抱っこする様にカイを膝に乗せて頭に顔を埋めてタクシーに乗りこんだ。 逆にそんな俺をカイは心配していたし、ドライバーには不審な目で見られたがカイが珍しく頭を撫でてくれたので俺はカイを抱き上げたまま上機嫌で家に帰ることができた。 とりあえず航には心の中でこっこり手を合わせておいたのだった。

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