「うっ…うぁ…」 「気持ちいいでしょ？」 木下教授がわざとゆっくりとピストンをすると、中にぶちまけられた精液が孔の隙間から溢れて空気を含んだ厭らしい音を立てる。 いつもの仕返しとばかりに乳首をつねってくるが、痛みを快楽に変換しないタイプなので気持ちいいという感覚よりも純粋に痛くて仕方がない。 乳首をつれられる度に痛みによる防衛本能で木下教授のペニスを締め付けてしまう。 乳首をつねるのを止めさせ様にもいつの間にか背中側で手を押さえつけられながらバックで挿入されてしまっていたのでどうしようもない。 教授に片手では腕を押さえ込まれ、空いた反対側の手で腰を掴まれ激しく抜き差しされると身体が勝手に快楽を拾って頭がぼんやりとしてくる。 枕に顔を埋める形になるので苦しいやら、気持ちいいやらで複雑な気分だった。 「卯月くん…ナカ…ナカに出すよ？」 「んっ…うぅ」 中に出すと言う教授に許可もしていないのに何度目か分からない中出しをされてしまった。 内心では出すとか宣言しながら射精すんなと教授に悪態をつくが、ぴったりと腰を押し付けられ腹の一番奥で出されてしまった身体は教授から精液を搾り取ろうと腸壁がうねりながら男を誘う。 我ながら男に躾られた身体なんだなと他人事の様に思った。 「はぁはぁ…」 「卯月くんの孔ぽっかり開いちゃったね。ふふふ。折角だから…キレイにしてあげようね」 「は？なに…ひっ！」 教授がズルリとペニスを引き抜くと、孔の縁に指をかけて胎内を観察しているのが分かる。 ごぷごぷと胎内から音がするし見られていることが本当に気持ち悪いなと思っていると、押さえられていた腕の力が緩む。 そして左右に孔を拡げられ恥ずかしいと言うよりそんなところ見て楽しいのかと呆れながら息を整える。 暫くは孔の縁を撫でたりしていたが、肌に熱源を感じて振り返ろうとしたところで尻の上に何かが乗ってきた。 それに驚く暇もなくジュルジュルという音と共に強い排泄感が襲ってくる。 言葉を発する暇もなく脳が絶頂を感知して視界が白くなった。 「や…やめ…」 腹の中でうねうねと動く教授の舌であろう物体に身体が何度も絶頂に追い込まれる。 ぢゅるっという音を立てて離れていく教授に身体をぐいっと引っ張られ反転させられて仰向けにさせられた。 もう身動きも出来ない位に絶頂の余韻で小刻みに身体を震わせていると、教授が俺の頭の方へ移動してくる。 頭を教授の太股に乗せられ俺の膝の下に手を差し込んできた。 ぐいっと引っ張られると少し腰が浮く。 「全部吸い出したつもりなんだけど、残って無いか確かめてあげるね」 「いら…いらなっ」 ぬっと孔に指を這わせ、焦らす様に孔の上を撫でられると自然に腰が誘うようにカクカクと揺れる。 それでも俺はもう逝きたくなくて首を横に降るのだが、教授は俺の顔を覗き込んでわざとにこりと笑った。 次の瞬間一気に指を胎内に沈められ前立腺を狙う様に動かされる。 孔からはぐちゅぶちゅっ、ぐぽっという水音が響き全身にぞわりという悪寒がしたかと思ったら下腹部からプシュップシュッという音が聞こえて排泄に似た感覚があったので俺は慌てて目線を下にやった。 「あー。卯月くん潮吹きはじめて？そんなびっくりした顔もするんだね」 「なっ…なっ」 「精液は残ってないみたいだけど、気持ち良さそうだからもっと指マンしてあげるよ」 ペニスから透明な液体が飛び出しているのを、教授が楽しそうに観察している。 腹の中で指を曲げられる度にぷしゅぷしゅとペニスからは潮が吹き出して布団を濡らしていた。 カイに潮を吹かせた事はあれど、自分がそんな経験をするとは思ってもみなかった。 指を増やされてしつこく孔を弄くりまわされて潮を吹かせられた後に、意識が朦朧としているのに俺を正面から抱き締めてディープキスしてくる。 舌を絡ませながら教授の手がまた孔にのびて来たので手を引き剥がそうとするも脱力していて上手く行かなかった。 ディープキスされながらもう一度挿入され、何度がペニスを抜差しされてまた潮を吹いたところでやっと意識が飛んだ。 「昨日は楽しかったね」 「私は全然楽しく無かったですけどね」 「でも、気持ち良かったでしょ？潮吹きまでしてたじゃない」 「今回しつこかったですから」 翌朝目覚めた時には身体は綺麗に清められ、きちんと館内着は着ていた。 腰にだるい倦怠感を感じたので昨日のは夢では無かったのだと実感する。 上機嫌な教授と朝のビュッフェを食べていると、教授が昨日の事を持ち出してきたので俺は優雅に生クリームを自分で沢山乗せたパンケーキを口に含む。クリームは思いの外さっぱりしていていくらでも食べれそうだった。 朝に話す内容では無かったので少し声を潜めて返事をすると、教授は不思議そうに首を傾げた。 全く可愛くない仕草にため息がもれる。 別に潮吹きさせられた事については恥ずかしいとかそんな感情はないし、正直気持ちも良かったがそれを認めるのも癪だった。 「それでね…そろそろ」 「あ、付き合いませんよ」 「いや…そうじゃなくて…」 「何を仰りたいのか想像できますよ。皆さん私を囲いたがりますけど、正直これはビジネスですので恋愛感情は皆無ですよ」 何かを言おうとした教授の話を遮り、今度はスコーンにクロテッドクリームを塗りながら吐き捨てた。 多分だがそろそろ研修も残り少なくなってきたので一緒に住もうとか、それか大学の病院に就職するのに口利きしようかといった話だろう。 今までパトロンになった男は尽く俺を所有したがった。 まだ成長途中の身体の時なら分かるが、普通の男を囲おうだなんて肌を重ねたからって勘違いしすぎだろう。 俺は金を貰う対価に自分の身体を差し出しているだけのビジネスとしか考えていない。 カイになら囲いたいだの結婚したいだの言われれば即OKだがビジネス相手にそんな事言われても迷惑でしかないのだ。 この度パトロン達からは最大限に金を引き出してから社会的に終わらせてやっていたのでストーカーになるなんて事も無かったが今回はどうしたものか。 「いや…君とそうなれれば嬉しいけど、今回はそうじゃなくてね。今度院長と一緒に料亭で3人でどうかって話が出ててね」 「そうでしたか。安心しました」 「こわいなー。付き合ってって言ったらどうなるのかな？」 「そうですね。社会的に終わらせてあげますよ」 教授の話に少し安堵しつつ、今度はカリカリのベーコンを食べる。 苦笑いの教授が興味本位で聞いてきたので俺は当然の事を言うように吐き捨てた。 教授はひきつった顔をするが、その気になれば今回は前のバイト先のつてを使うことも可能だ。 つてがあるとそこまでは言わなかったが、いい加減しつこい様なら考えなくてはいけないだろうが割りきっているならそれはそれで楽でいい。 昨晩みたいにレイプごっこなんて遊びも本気ではないのなら今回は目を瞑ろうと思う。 まぁ報酬はいつもより多く貰うつもりではあるが。 「ではまた期日が来ましたら…」 「次を楽しみにしてるよ」 「たぁくさん“貯めて”おいてくださいね」 最寄りの駅まで送って貰い、ロータリーで教授の耳に息を吹き掛けた後車を降りた。 何を勘違いしたのか好色ジジイ丸出しの顔で手を振ってきたので、営業スマイルで教授の車を見送った後に盛大にため息が出る。 金さえくれればそれでいいのだ。 精々俺に貢ぐ金を“貯めて”おけばいいなんて考えながら大きくのびをしてゆっくりを肩を揉みながら改札まで歩く。 すぐにホームに滑り込んできた電車に乗って家の最寄り駅まで電車に乗る。 もう早くカイに会いたくて仕方がない。 あんなジジイと居るより、かわいいかわいい“俺の”カイと一緒に居る方が有意義だし俺の癒しにもなる。 足早に電車を降りて、最初は早足だったのが家に着く頃には息が上がるほどの速度で走っていた。 挨拶もそこそこに部屋に駆け込むと、リビングにあるソファーでカイが携帯電話を見ている。 「た、ただいま！」 「誉！おかえり！あのな…」 すぐにそんなカイに駆け寄り抱き締めると、俺の気配に顔を上げたカイの話を遮ってしまった。 悪いと思いつつカイの頭にぐりぐりと顔を擦りつけるとやっと大きく息を吸う事ができた気がした。 意味が分からないのかカイは身動きをしなかったが、俺が暫くカイの頭皮の匂いを堪能しているともぞもぞと動き出したので名残惜しかったが少し距離を取った。 「ただいまカイ。急にごめんね？カイに会えないのが辛くて走って帰ってきて、カイを見たらどうしてもくっつきたくなっちゃったんだ」 「ん。よく分からないけど大変だったんだな」 「うん。寂しかった…」 俺が少しわざとらしい位に甘えてみせると、珍しくカイが俺の頭を撫でてくれた。 調子に乗って甘える様にカイの胸に頭を擦り付けると、カイから何故か満足そうな鼻息が聞こえる。 人とのコミュニケーションが苦手なせいで、周りには大人ばかりの中で育ったカイは年下への接し方が分からないのであろうことは容易に想像が着く。 俺の甘えん坊モードで、カイの“お兄さんスイッチ”が入ったのだろう。 今度は肩にぐりぐりと頬を擦り付け、自然な流れでカイにキスをした。 「んっ、んむっ、んっ」 「カイかわいー」 唇にちゅっちゅっとバードキスをすると、カイの手から携帯電話がするりと落ちたので反射的に受け止めた。 ボタンに手が触れたのか画面が明るくなったので、何気なくそれを見たらメール画面だった。 「あっ…そおだ。満兄さんから連絡来て、俺達の親戚がリゾートホテル経営してるんだけど遊びに来ないかだって」 「えー」 「だめ？プールとかあるんだって」 「カイは行きたいの？」 「プールとか行ったことないかも。学校の授業も紫外線とか身体に良くないからって…」 俺がカイの携帯を見ているのに気がついたのか、俺にもたれながら画面をかわいい指で示してきた。 差出人からして嫌な予感がしていたが、内容も最悪だ。 カイが誘われたと言うことは、当然航も来るだろう。 また満に何かのダシに使われるのは目に見えているが、カイが少し悲しい顔をしたので二つ返事で了承する。 不安でしかないが、カイの為に瀬戸さんと色々準備せねばとカイを抱き締めながら思考を巡らせた。