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第27話

研修の合間をぬって金持ちの道楽に付き合いに来たのだが、リゾートホテルと聞いていたので警戒したが教授と利用するホテルとは全く関係なくて少し安堵した。 合流した満曰く、親戚が廃業寸前のリゾートホテルを安く買い取ってリニューアルオープンさせるので今回はそのプレオープンに呼ばれたらしい。 世の中不景気だと言っているのに、金のあるところにはあるもんだなとぼんやり思う。 「プールサイドは滑りやすいから気を付けるんだぞ」 「分かってるよ」 俺が設備などをぼんやり眺めていると、如月兄弟が何やらわちゃわちゃとしている。 カイは一応室内と言えど紫外線などの対策としてラッシュガードを着用しているのだが、航もラッシュガードを着ていた。 どうせ中に何か仕込んでいることはニコニコと2人を見ている満を見れば明らかだ。 「今日はカイが居るんだから程々にしておけよ」 「おや?何の事です?」 俺が声を潜めて満に話しかけると、不思議そうにされたがこれは絶対分かっていると確信したので俺は軽く頭痛がしてきた。 自分の額に手を当てると、満がクスクスと小さく笑い出す。 「安心してください。少しプールを楽しんだら私と若様はがありますので。合流はまた夕飯の時ですかね?」 「何をするか知らないけど、カイを巻き込むなよ」 「他の親戚連中ははあわよくばとは思っているみたいですが、今日は若様の新しい“遊び”に掛かりきりなので大丈夫でしょう。それに今日は一部のスタッフ以外親類縁者しか建物の中に居ません。何を見ても他言無用ですよ?」 口許に人差し指を持って来てニヤリと笑う満に舌打ちをしそうになった。 本当にこいつの仕草はいちいち腹が立つ。 「そんなの当然だろ。誰がおいそれと危険に足を突っ込む…」 「誉!こっち!」 俺達がこそこそと話しているのが気に食わなかったのか、カイが俺の腕を引っ張りに来た。 満は相変わらずニコニコと俺とカイを眺めながらひらひらと手を振ってきた。 波の出るプールの浅いところまで連れて来られた俺はおそるおそる水を触るカイを見ているだけで先程の事など忘れて心癒されてしまう。 カイが溺れない様に見ながら浅瀬でカイと水遊びをしていたら、満と航の事はすっかり忘れていた。 カイが小さくあくびをしだしたので、一応2人を探してみたが見当たらないので気にせずシャワールームに向かう。 「夕食まで仮眠しようか?」 「う…ん」 「ほらカイ頑張れ!」 「ねむい…」 シャワールームに着く頃にはカイは目をしょぼしょぼとさせている。 カイを後ろから支えながらお互いシャワーを浴びていると、少し離れた所から聞き慣れた音が聞こえてきた。 ぶぽっぐぽっと空気を含んだ音の合間にパンッパンッと明らかに肌のぶつかる音が聞こえる。 もしやと思って隣と仕切っているパーティションから顔を出すと一番奥のシャワールームから腰を振っている男が見えた。 「ん?なに…この音」 「配管に空気でも入ってるのかな?一応スタッフさんに言っておくよ」 「ん~」 嫌なものを見たなと思ってカイの方に向き直ると、相変わらずタイミング悪くカイが音の発生源を気にし始めた。 俺は慌てて配管ではないかと言うと、また目を擦ろうとしたのでやんわりその手を押さえる。 カイの眠気もピークに達しそうだったので、俺は急いでロッカーに向かう。 カイを後ろから押しながらちらりと奥を見ると、女子用の競泳水着を着せられているのであろう人物が跪いて頭を押さえられている。 多分水着の人物は航なんだろうなとは思ったが、見なかった事にしてロッカーへ向かった。 カイを館内着に着替えさせ、部屋に向かう。 抱き上げてもよかったが、自分で歩くと言うのでゆっくりではあったがなんとか部屋に着いた。 「プール楽しかったの?」 「ん…また行く」 「そうだね。時間沢山あるからね」 ベッドにカイと2人でダイブしてカイの少し湿った髪を撫でる。 話しかけると眠いながらまたプールに行きたいと言うのでかわいいなと思いながら頭を撫でていると、遂にカイからすぅすぅと寝息が聞こえはじめた。 俺も大きくあくびをして目を瞑ると、カイの寝息が遠く聞こえ始める。 「んー。ちょっと寝ちゃったか」 いつの間にか寝ていたのか喉の乾きで目が覚めた。 そう言えばプールを上がってから水分補給していないことに気が付いてスマホで時間を確認しようとしたら手元にスマホが無い。 ロッカーに置いてきてしまったのだろう。 寝ているカイの頭をまた撫でて、俺はベッドから降りる。 スマホを取りに行くついでに飲み物を調達してこようとルームキーを持って部屋の外に出た。 「あ、誉。部屋に居たんですか」 「げっ」 「呼びに行こうと思ってたんですよ」 「え…もうそんな時間か?」 エレベーターホールでエレベーターを待っていると、後ろから声をかけられた。 振り向いたら満が立っている。 思わず嫌な顔をしてしまったであろうに、誉は気にしていない様で俺の手を握ってきた。 スマホを持っていないので正確な時間が分からないがそんなに寝こけてしまっていたのだろうかと不安になる。 誉はいいからいいからと俺の手を引いて来たエレベーターに乗り込む。 聞いた話ではプレオープンのパーティーを大きな会場ですると言っていたのに、館内着のままだし大丈夫なのだろうかと不安になる。 目的階でエレベーターの扉が開いた瞬間、俺は閉じるのボタンをすぐに押した。 「親友の精一杯のおもてなしの姿を見てあげてもいいじゃないですか」 「カイを巻き込むなとは言ったが、それは俺も含まれてるんだぞ」 すっと扉を押さえて扉が閉じない様にして満を睨む。 エレベーターホールには女子用の競泳水着に腰には小さなフリフリしたエプロン、胸の部分は乳首部分に穴があけられ乳首にはリング状の装飾がつけられている。 目元はアイマスクで覆われており、首には首輪がつけられ首輪には当然の様にリードが繋がっていた。 リードの先は恰幅のいい男が握っており、腹にはバイブが埋め込まれている様で太股の間から尻尾の様な物が覗いている。 思わず要素詰め込みすぎだろと突っ込みそうになったが、なんとか我慢した。 「若様舌を出してください」 「は…はひっ」 恰幅のいい男にリードをぐいっと引かれ航と男の顔が近付く。 ディープキスする航と男の背後に別の男が近付いた。 背後から近付いてきた男はバイブをむんずと掴み、予告もなくずるりと引き抜き勢いよく胎内に埋め込む。 ぶちゅんぶちゅんと激しく抜差しされると、航の腰が浮いてくる。 ぷしゅっという音と共に小さな白のエプロンに水染みができてきた。 「さぁ他の方に迷惑になりますから、エレベーターから降りましょう」 「お前らのプレイに俺を巻き込むな!」 「失礼な!親友の秘密を教えてあげる私なりの優しさですよ」 一定時間止まっているせいでエレベーターからビービーと警告音がする。 その音に一瞬航が驚いた仕草をしたが、恰幅のいい男に乳首のリング状の装飾を引っ張られているのを横目に満が俺の手を再び掴む。 俺はそれを振り払い小声で怒る。 何故お前らのプレイの見物をさせられなきゃいけないんだ。 俺はただ忘れ物を取りに部屋を出ただけなのに。 そんな俺にさも俺が間違ってるかの様に言ってくる満に俺は納得がいかない。 「んぶっ…ゆるひて…ゆるひてくらさ…イグッ」 「若様何言ってるんですか。満から聞いてますよ。最近悪い“遊び”にハマってるらしいじゃないですか」 「あっ、あっ…ちがっ」 「何が違うんです?発展場なんて何処の骨とも分からない連中に好きに身体を使わせて肉便器してるからこんなにガバガバになるんですよ」 「おっ、お゛~。イクイクッ」 「若様答えてください」 何処から来るのか航を取り囲む男達が増えている。 口々に航を責めながら、身体を追い込んでいく。 乳首に取り付けられているリングは別の男達が左右から引っ張り、腹の中のバイブは相変わらず激しい水音と空気音を立てながら抜差しされている。 恰幅のいい男とディープキスして横を向かさせられて競泳水着の股間部分は股関節を越えて脇腹が見えるのでは無いかと思うほどのハイレグになっていた様で見ていてハラハラする。 水着をずらして挿入されていたバイブが引き抜かれても何人もの指で孔を弄くりまわされていた。 ぶちゅぶちゅぶちゅと胎内をかき混ぜられる音がエレベーターホールに響く。 「若様今日はご学友も来ていらっしゃいますよね?若様のこの姿は知ってるんですか?」 「ひぐ、やめ…ゆるひて」 「弟君も兄のこんな淫乱な姿を見たら幻滅するでしょうなぁ。女の水着を着て、水着に乳首が見えるように穴を開けて乳首丸出しでケツアナを好き勝手にほじくりまわされて喜んでるなんて」 「しかもプールやシャワールームだけじゃ飽き足らず部屋から出て館内を散歩してるので、ご学友に見られたらどうしましょうね?」 「あっ、あっ!イった…イってますぅ」 「想像だけで逝ってしまわれたんですか?しかも乳首にこんないやらしいアクセサリーまでつけて、こんなスケベな身体で舞子とはちゃんとやっていけるんですかな?」 乳首を左右からぎゅっと摘ままれながら、様々な男からディープキスされたり孔に指を差し込まれ弄ばれている。 俺は観念してエレベーターからは降りているが、非常階段の方へズリズリと近付いていく。 親戚筋だからだろうか婚約者の名前が出たところで航の動きが一瞬止まった。 それを狙った様に水着の上から航はペニスを掴まれゴシゴシと刺激されている。 「あっ、あひっ…ゴシゴシっやめっ」 「また水着越しに潮吹きなんてして若様だらしないですぞ」 「これでは舞子を抱く前に若様が女になってしまいますな」 「これは女ではなくメスの方が相応しいですよ」 「しかも発情期のメスよりも質が悪い。満もよくここまで淫乱に躾たものだ」 「お褒めにあずかり光栄です」 男達から笑い声が上がるが、笑っている男達もさることながらそれに応える満も双方悪趣味すぎる。 少しずつ移動してきているので少し離れた位置に居る満を見ると相変わらずニコニコとしていた。 満は航に執着していた筈なのに、目の前で他人ではなく親戚演者に触らせて今どういう心境なんだろうか。 とりあえず俺は後ろ手に非常階段へと続く扉のドアノブを握り少し開けるとその隙間から身体を滑り込ませた。 階段をかけ降りスマホの事などどうでもよくなって部屋に戻る。 幸いな事にカイはまだ寝ていたのでふぅと大きく息を着いた。 「もしかしてこれの為に呼ばれたか?」 改めて考えると俺をだしにするのに満は俺を呼びに来たのではないだろうか。 そう考えると腹立たしく感じるものの、そもそもここに来なければ良かったとは思えなかった。 カイが居るので最初から俺も着いて来ただろうなとは思う。 ベッド脇のサイドボードに時計が埋め込まれている事に気が付いて時間を確認すると、まだパーティーには時間があった。 俺は備え付けの冷蔵庫を開けてミネラルウォーターのペットボトルが入っていたのでそれを開けて煽る。 「俺苦労人ポジじゃない筈なんだけどな」 ついつい独り言が漏れた。 取り敢えずパーティーにはカイを出席させなくてはいけないだろうと思いクローゼットを開くと一応スーツが入っている。 満には普段着だけ持ってくればいいと言われていた意味がここで分かった。 時間になり出席したパーティーで、数時間前に男達に散々玩具にされていた航は涼しげな顔でパーティーに出席していた。 そんな航を見ていると、俺の方がどっと疲れを感じてしまうのだった。

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