31 / 35
番外編 航くんの開発日記7
もう俺は自ら歩いているのか引きずられているのかすら分からない程の足取りで別の部屋に連れてこられた。
部屋に入ると大きなスクリーンが天井から垂れ下がっており、スクリーンの後ろにカラオケで使う液晶が置いてあるのが透けて見えている。
1人が液晶の電源を切ると一瞬部屋が暗くなった。
アルコールも入って暗くなった事で眠気が襲ってきたが、すぐに明るくなる。
「プロジェクタールームですか。こんな立派なスクリーンがあるなら、映画ではなく折角なので余興を録画していたので見ていただいておまけに若様の日課も見てもらいましょうね」
満が何やら言っている様で、周りは笑っているが俺は近くの男達に身体を弄ばれているのでよく聞こえない。
暗くなった時に隣の男にディープキスされ、その後2人がかりで乳首を舐めたり吸われたりしながら手で孔を掻き回されている。
部屋にぐちゅぐちゅと胎内をかき混ぜる音が響く。
手もペニスを握らされているので掌が熱い。
『おっ、お゛~。イクイクッ』
『若様答えてください』
「映像の中の若様派手にイッてますね」
「若様~?どうだったんですか?」
「メスイキの方が気持ちいいに決まってますよねぇ?」
「きもちっ、キモチイイレスッ!ひぐっ!」
大きなスクリーンに俺の痴態が晒されている。
無様に絶頂しているのを見られているが、映像の中の俺が絶頂すれば歓声が上がり質問責めにされながら絶頂させられる。
ペニスに付けられた器具のせいで射精はできないが、胎内を休むことなく刺激されているせいで背骨を伝って快楽を直接脳に流し込まれている気分だった。
「へぇ。若様毎日お尻弄って遊んでるんですか」
「命令されたからって如月の次期当主がね」
「淫乱なのは血筋なんですね」
今度は俺が自慰している映像が流れている。
俺が胎内から男達の精液を逆流させない様に腹に力を入れてこれ以上醜態を晒さない様に躍起になっているのと映像を交互に見て口々に俺を嘲笑していた。
散々俺に中出ししたくせにと頭の片隅では思うのに思考にモヤがかかったようでハッキリせず、考えがまとまらない。
いつの間にか精液でドロドロになったドレスを脱がされ、胎内の精液をグラスに注がれ飲まされる。
またしてもアルコール混ぜられているのか喉が焼けそうに熱く、すぐに水も飲まさせられた。
何の配慮なのかと咳き込みながら思う。
「航くん次は卓球ですって」
また男達によって引きずられながら別の施設に来た。
満の声に卓球台の近くで遊んでいたであろう俺と満と同世代位の男達が驚いた顔でこちらを見ている。
説明は誰かがするのかその男達もこちらにニヤニヤと笑って合流した。
満足した者からこの宴から抜けていくのに、俺を取り囲む男達は一向に減らない。
「若様~!いい球くださいよ」
「ハハハハ。若様飛んでませんよ」
「んぶっ、んぁっ、んぇっ」
卓球台の上に四つん這いにさせられ、胎内にピンポン玉を詰め込まれた。
ディープキスをされながら乳首を片方づつ下に向かって力いっぱいに搾る様に引っ張られると、胎内に力が入って埋め込まれたピンポン玉が飛ぶ。
勢いよく飛ぶとカコンと音を立てて打ち返され俺にピシリと当たる。
反対に勢いが無いと笑い声があがり、キスの相手が変わる。
俺をピッチングマシンとでも思っているのだろうか。
遠慮なく力いっぱいに乳首が引き伸ばされて痛い筈なのに気持ちがいい。
くちゅくちゅと男達と舌を絡めていると視界が霞んできた。
「若様~?」
「気持ちよくて意識飛んでました?」
俺はいつ寝たんだろうか。
まだぼんやりした頭で周りを見渡すと、相変わらず男達に取り囲まれていた。
なんだか身体の前面が冷たい気がする。
不思議に思って視線を下げると胸の上に何か乗っていた。
どうも腹の上や太股にも何か乗っている様で身体を動かすとポロポロと零れた物が肌に当たる。
未だにふわふわとした頭では状況がのみこめない。
視線を上にずらすと舞台の様な物が見えたので宴会場なのかなと考えが過る。
「綺麗に筋肉がついてますね」
「腹筋も見事なものですね」
周りから声がするが身体を動かすに動かせない状況なので、取り敢えず天井を見ておこうと思った。
今更ながらに甘い匂いがするので、何かケーキとかが身体に乗せられてるのかなと思うが眠気がすごい。
男達の声を聴きながらまたしても意識が薄れてくる。
「若様お酒弱いんですね」
「ぐっすりでしたからね」
ふと意識が浮上してパチリと目を開けるとまだ周りに男達が居る。
一応人は入れ替わっている様だが働かない頭では細かいことまで考えが及ばない。
立たされていたのか男達に身体が支えられている。
ぞわりとした悪寒の後にごぽりと精液が溢れボタボタと音を立てて床に落ちる。
ぼんやり下を見ると普通の床ではなく岩の様になっていたので、温泉かと思った。
本当に色々回るんだなぁと呑気な事を考えていると男が覆い被さってくる。
「若様そろそろ溜まってきたんじゃないですか?」
「な…に?」
「お酒沢山飲まれたんですよね」
「チェイサーも同量飲んだとか」
思わず首を傾げるが、1人にペニスに付けられた器具を持ち上げられる。
意識をすると痛みが襲ってきた。
俺のペニスは赤黒く変色しているのが、汗か何かのせいで曇っている樹脂に押し込められて肌が接触している部分から見えた。
ガクガクと足が震えはじめたのに、男達は気にせず俺を引きずり湯船の中に入れられる。
「げほっげほっ」
「淫乱らしく精液まみれで若様は嬉しいでしょうが汚くて仕方がありませんね」
「何回中に出されたんですか?」
「清掃前なのでお湯が汚れても気兼ねなく気持ちよくなってくださいね」
湯船の中でお湯を頭からかけられ予期していなかったので少し口にお湯が入る。
咳き込んでいる間に身体を汚していた精液が洗い流されていく。
お湯の中で胎内に指を入れられると腹の中にお湯が流れ込んでくる。
男達は気にする事はないと前立腺を狙って刺激をしてくるので俺は逃げようと湯船の縁に手を掛けた。
「若様自らおねだりですか?」
「散々咥え込んだのにまだ欲しいですか?」
「ひぐっ!」
腰を少し浮かせた体勢になってしまった事で後ろに回られ腰を掴まれる。
ずぱんっと勢いよく奥まで挿入された衝撃に電流が脳天まで突き抜けた。
その後下半身からぱしゃぱしゃと水音が聞こえる。
「おもらしですか」
「だらしないですよ」
「とまっ…とまって…んぼっ」
男達の言葉でふわふわした思考でも流石にヤバイのではないかと焦る。
それなのに男達は止まることは無かった。
身体が高められているのもさることながらお湯に浸かっているせいで汗がとまらない。
息があがってきているのに口にペニスが押し込まれる。
「んぼっ、んごっ」
強制的に喉の奥まで挿入されて苦しい。
このままでは酸欠で意識が飛ぶと思って男の太股を叩くが意味はなかった。
喉の奥に出されると嘔吐反射で男が腰を引いたタイミングで湯船の中に胃の中身を吐いてしまう。
ビチャビチャと落ちる吐瀉物に男達が嫌そうな顔をするが、すぐに笑い声があがった。
口々に如月の若様も人間なんだと笑うのだ。
淫乱だの肉便器だの罵られながら身体は男達の性欲や嘲笑の捌け口として使われていく。
「あれ?いつ部屋に帰ってきたっけ?」
曖昧な記憶だが露天風呂にいた筈なのに、俺は現在ベッドの上で目を覚ました。
着る物はきちんと身につけており、浴衣を着せられていたようだ。
胸元を捲ると乳首が赤くぷっくりと腫れている。
今度は裾を捲り下半身を見ると器具は付けられたままらしい。
これで夢では無かった事を確信したが、取り敢えず俺はベットから降りて身体をのばした。
特に筋肉の強ばりもの無く少し腰がだるいだけだと自分のコンディションを確認する。
「よし!気分転換だ!」
顔を洗ってから歯を磨いて一応クローゼットを開けてみる。
持ってきていたスーツケースが入っていたので、スーツケースを引っ張り出してその中からウェアとランニング用のシューズを取り出して着替える。
備え付けの冷蔵庫の中を見るとミネラルウォーターが入っていたのでそれを半分ほど飲んでペットボトルを持ったまま部屋から出た。
廊下はしんっと静まり返っていて、俺は気にせずエレベーターに乗ってロビーへ向かう。
「あ、ここがテニスコートか」
フロントには誰も居なかったが、ロビーは電気がついていて普通に玄関から出られそうだった。
外に出ると、早朝特有の少し冷たい空気が肺に入ってくる。
大きく息を吸って走り出すと、すぐに満が言っていたテニスコートを見つけた。
少し離れた場所から眺めてからすぐに走るのを再開する。
ホテルの周りを一周しようと走り出したが、やはり広いからか景色がころころ変わって楽しい。
チャペルらしき建物がみえはじめて、まわりは葡萄棚でできた小さな森が見える。
外でもカジュアルな結婚式があげられる様になっているらしいと椅子とテーブルが置いてあることから想像ができた。
「に、兄さんおはよう!満兄さんも!」
「おはよ」
「あぁ…」
ホテルの周りを一周し終わり、腕時計をみると少し早いが朝食の時間だ。
朝食はビュッフェスタイルらしく、昨日満足に食事をしていなかった事を思い出して腹がくぅと鳴った。
ビュッフェ会場に行ってコーヒーとクロワッサンとスクランブルエッグ等を皿に乗せて席に着いて少し口にしたところでカイと誉が席にやってきた。
カイにしては朝が早いなと思っていたら食後にプールに行くらしい。
それにしても満はまだ来ていないのにとクロワッサンを千切りながら口に放り込んだところで、俺の向かいの席に満が眠そうな顔で腰をおろした。
カイ達は俺へ挨拶後にすぐ食べ物を取りに行ったのでこの場に居ないからなのか満は大きくため息をつく。
「あなた。本当に化物なんですか?」
「何だよ急に」
「昨日散々親族の玩具にされてませんでした?それなのにその格好…」
「変じゃないだろ?」
「変ではないですが、走ってきたんですか?」
「そうだけど?」
挨拶もそこそこに話しかけられて、普通に返事をしただけなのに満は頭が痛そうに額に手を置いた。
変な事を言っただろうかと厚切りのベーコンをフォークとナイフで切ってから口に含む。
そういえば人が増えてくるにつれてペコリと俺に頭を下げてくる人物がちらほらと居るが、俺の格好に驚いた顔をされる。
満が言わないだけで、この格好はラフ過ぎてダメだったのだろうか。
「もう少しあたなたへの対応を考えます」
「は?」
「兄さん!一緒に…」
「いいよ。隣座りな」
俺が手を止めていると、カイがこちらに戻ってきて
一緒の席で食事をしたいと言われれば喜んで受け入れた。
自分の隣の座席の椅子を片手で引いてやり、カイが座ると横に居た誉は渋々といった様子で満の横に腰をおろす。
先程の満の言葉も気になるが、今は穏やかな朝の時間を満喫する事の方が重要だった。
ともだちにシェアしよう!

