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第18話
しかし今回は、これまで守ってきたものが周防によって破られた形になる。
「なっ、何すんだよっ!」
唇を離すなり、真那人は周防に噛み付いた。
「悪い、」嫉妬した。拓実くんに」
周防の目は真剣そのもので、情欲が見え隠れしている。それと共に、真那人は僅かに恐怖を感じた。
「は?何でそんな……」
「……別に?真那人って、男ダメ?」
周防に目を覗き込まれ、訳も分からず動揺してしまう。
「さ、さぁ。どちらでも」
「え、どういうこと?もしかしてバイ?」
「……取り敢えず、人に惚れたことがないから」
「そうだったのか……じゃ、俺と試してみる?」
周防がイタズラっぽく微笑みかけてきた。
「な、何言ってんだよ」
昔の自分なら、「それもいいな」と答えて、男だろうと寝ていたかもしれない。でも……。
周防は、真那人の着ているジャケットを脱がし、シャツのボタンを外していく。
肌が露わになり、首筋に周防の手が這わされる。
段々と滑らかな手が下に下りてきて、はだけたシャツを退けて胸の尖りに手が到達した。
そして周防の指が敏感な尖りに触れる。
「お、おい!誰か来んだろ!」
焦りつつ真那人が抗議をした。ここは会社の一室で、暗くなってきたとはいえ、いつ人が入ってくるかわからない。
「来ないよ。誰も来ないように皆に伝えてあるから」
周防はニコリと笑った。なんて準備が良いのだ。最初から、こういうことをするつもりでいたというのか。
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