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第20話

 翌日、周防からメールで『昨日は悪かった。あのことは忘れてくれ』と送られてきた。  それに周防によると、真那人が選んだ拓実含め五人のモデルを、これから創刊する雑誌の専属にすることに決定したのだそうだ。  あの日の、周防の行動の訳が分からず困惑した。それに周防と会ったりするのが気まずかったが、その後は周防が普通に接してくるのでそのうち真那人も気にならなくなった。  専属モデルが決まってから、それを喜んだ拓実が久しぶりに真那人の自宅にやってきた。 撮影の直前で、たまたま休みが重なったので拓実から行きたいと言い出したのだ。 「いやぁ、また来れて嬉しいっすよ。相変わらずキレイにしてるんすね」  真那人は三年前から家を変えていない。立地も家そのものもなかなかに気に入っていて、なるべく長く住もうと考えている。 「確かに久しぶりだなぁ。お前が来るから片付けたんだよ」 「へぇ〜俺の為に片付けてくれるんすね」  拓実は少し顔を赤らめ嬉しそうにした。 「まぁ、お前が来るの久しぶりだしな。ホラ」  真那人は、拓実が以前に好きだと言ってくれた紅茶を出した。 「あ、すんません……って……これ」  拓実は香りを嗅ぎ思い出したようだ。 「お前が美味いって言ってくれたダージリンだよ」 「え、覚えてくれてたんすか?」 「あぁ。俺も好きなやつだからさ、美味いって言ってもらって嬉しかったんだ」 「へぇ……」  またも顔を朱く染め、拓実は紅茶に口を付けた。 「あ、美味い」  一口飲み、拓実は笑みを浮かべる。 「そうか?それは良かった」  喜んでもらえたのは、真那人としても嬉しい。すると、拓実はカップをソーサーに戻して意を決して告げてきた。 「俺、ずっと真那人さんが好きでした」 「え?」  突然の告白に、真那人は大いに戸惑い固まってしまう。

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