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第23話

 これから雑誌作りも本格的になる。仕事以外に構っている暇はない。それは分かっている。 周防が気になるようになったものの、その気持ちは自分の中の奥に仕舞い込んでおかなければならない。 六月のある日、撮影が行われるスタジオに真那人は足を運んだ。撮影の進捗状況を見るためだ。  カメラのフラッシュを浴びるモデルたちは皆、オーラを纏い輝いている。誰しも、自分を魅力的に魅せていて、自信に満ちているのだ。  それを見た真那人は、またあの場に戻れないのかなと漠然と思った。 また、モデルをやってみたい。会社に入ったのは自分の決断だったが、一度でもいいから復帰してみたいという思いに駆られた。 「真那人!」  羨望の眼差しで撮影を見ていると、声をかけられた。周防だった。 拓実から周防を好きなのかと言われてからは、周防に会うのも何となく照れ臭さがある。 「あ、周防さん」 「来ていたんだな」 「もちろんだろ。ちゃんと見ねぇと」 「仕事熱心だな。どうだ?皆、粒ぞろいだろ?」 「そうだな。レベル高いとは思うな」  モデルたちを褒められて、心の奥底にチクっと刺さるものを感じた。真那人は嫉妬していた。その事実を認識し内心驚いたが、真那人は平静を装った。  そうしていると、ちょうど昼休憩に入る合図が出た。 「そうだ。これから少し出ないか?」 「あぁ、そうだな。腹も減ったし」

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