37 / 71
第37話
「あっ あぁっ……」
前は手で扱かれ、後ろからは穿たれ、真那人は周防とほぼ同時に果てた。
その後も、何度も体位を変えては周防に翻弄され続けた。
数日後、拓実に話があると言われ、悪い予感はしたものの軽く奈良と思い、カフェで会うことにした。
「んで、どうだったんすか?ヤッたんすか?周防さんと」
いきなりストレートに聞かれ、真那人は固まってしまった。
「お、おま…身も蓋もねぇな」
「いいじゃないっすか。まさか、何も無しってことはないっすよね?」
拓実は探るように見つめてきたので、真那人は反応に困りタジタジになる。
昔は奔放にやってきた真那人だが、こんな風に自分の色恋について聞かれたことはなかった。
だから、こういうことを話すのはあまりいい感じはしない。
「まぁ、それなりだよ。お前の想像に任せる」
肯定もしないが、否定もしなかった。
「ふーん?まぁ、いいっすよ。マジで言わなくてもいいっすから。でも、上手くいったんすよね?2人」
さも興味深々といった体で、拓実は身を乗り出さんばかりにして聞いてくる。
「いいや、別に何ともなってねぇよ。関係が変わったわけじゃねぇし」
「へ!?」
拓実は驚いた。てっきり、周防と真那人が付き合い出したのかと思ったらしい。
「俺も何も言ってねぇからな。てかお前、わざとバーに連れ出して先に抜けたんだろ。俺たちくっつけようとして」
「え、そうですけど」
「全く、お前は…」
真那人はため息を吐いてアイスコーヒーを飲んだ。
ともだちにシェアしよう!