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第49話
「それでさ……周防さんはどうしてる?」
拓実から電話が来たのが5分前。周防と連絡を取れなくなってから3ヶ月が過ぎた頃だった。
電話がかかってきてからは拓実の世間話などを聞いていたが、真那人はこのことが聞きたかった。
『え、連絡してないんすか?』
拓実は酷く驚いたようだった。周防と付き合うきっかけをくれた彼には正式に周防と付き合い出したことを教えていたから、無理もないだろう。
「あぁ。事情があって、ずっと電話もメールもしてねぇんだ」
『道理で、さっきから覇気がないと思ったっすよ。周防さんとはそんなに会ってはいないっすけど、この前見た時はやっぱ今の真那人さんみたいに沈んでて、上の空ってやつ?そんな感じだったかも』
「そうか……ってか、俺そんなに沈んでる?」
確かに気落ちしている自覚はあるが、電話で話している相手にまでも分かるということは、職場でも皆気付いているのかもしれない。それほどに分かりやすく、心に堪えているのだ。
『そうみたいっすね?何とかしないと、取り返しのつかないことになるんじゃないっすか?』
「でも、どうするってんだよ…身動きできねぇんだよ、今」
周防に関してできることはなく、八方塞がりの状態なのだ。
「う~ん…周防さんも同じ気持ちなんだと思うんっすけどね」
「そうかな…」
「もう少ししたら、何かしら動きたいって考えてるかもしれないっすよ。俺の憶測でしかないっすけど」
「ならいいな…俺も、何かできないかもっと考えないとな…」
悲嘆に暮れてばかりいないで、そろそろ現状を打開する手立てを考える頃かもしれない。そのことに気付かせてくれた拓実に、真那人は感謝した。
「サンキュ、拓実。俺もこうしちゃいらんねぇよな」
「そうっすよ。きっと事態は良い方向に行くんで元気出してくださいよ!」
「あぁ」
拓実の言葉に、力をもらったような気がする。
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