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第7話 変化【木ノ下と眞那斗】

(このタイミングで出るのかよ) ふさふさ揺れる尻尾は、誇らしげに木ノ下さんを誘っているように見えた。 時々、自分のものながら別の意志を持っているように思えてくる。俺の番なのに尻尾が先に可愛がられるって有り得ないんだけど。 なんだかムカムカする。 「尻尾はいつも通りだ」 木ノ下さんがうっとりと尻尾をなでなでしている。根元を刺激されるたび、引っ張られた後孔がひくついた。 「尻尾はこれくらいにしとく。次は狛崎な。足をもっと広げられるか」 「えっ」 「ちゃんと解さないと怪我をする」 「でも、恥ずかし……いです」 「そんなだとセックスできないじゃないか」 「セックスって!!!!」 「セックスするんだろ。これから。お前は俺に挿れてほしいんだろう」 「まぁ……はい、そうです……けど」 なんと破廉恥な!!!!! けど、お願いしているのは俺であり、木ノ下さんはあくまでしてあげている側の立場である。俺が圧倒的に弱い。 観念して脚を開いた。もう既に裸で尻尾も出てる。恥ずかしいと言える状況でもなかった。身体の熱が羞恥なんて捨ててしまえと俺を掻き立てる。 「…………後ろも赤い、ですか?」 「ああ。いつもよりもずっと。エロい穴になってる。苺みたいだ」 木ノ下さんは後孔の周りに指を這わせ、くにくにと揉んでいる。入口を指が優しく広げていた。なんとそこをペロリと舐めたのである。 「ひゃぁ、ぁんっ…………やだ。やっぱり汚くて集中できない。風呂入らせてくださいっっ」 「甘酸っぱいけど」 「嘘つきっ。苺じゃないから!!!」 汗だくであちこちが精子臭い。 何より行為に集中できない。汚い穴を舐められたり、指を入れられるのは、生理的にも気持ちが悪い。 「き、木ノ下、さん……だめっ、だめ、舐めちゃ、やだ。本当に勘弁、してください」 「…………ったく。分かったよ。ほら、風呂入れ。ただし、俺も入る。お前から仕掛けてきたことだ。責任は取ってもらう」 「あう……」 本当は1人で気持ちの切り返しをしたかった。木ノ下さんを受け入れる心の準備をほんの3分でいいから欲しかったのだ。 しかし、そんな俺の希望は通るはずもない。木ノ下さんの火をつけたのは俺で、木ノ下さんだって止まることができないのだ。

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