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第9話 変化【木ノ下と眞那斗】

大きいのは知っていた。いつも見ているから。 俺とは比べものにならない立派さは、まさに木ノ下さんそのものであり、存在感が半端ない。狐は雄の象徴で優劣がつく。木ノ下さんクラスなら間違いなくリーダーになれるだろう。 しかし、確認も無しでいきなり挿れるとは不躾ではなかろうか。 「…………っ、うぅ、ぁ、ぁぁ……」 さっきまでの嬌声とは違い、呻き声に近いものが漏れた。 「いきなりごめん。慣れるまでこうしてる。よくなったら教えてくれ」 俺にとってはじっとしている方が辛かったりする。腹部への圧迫感がものすごいのだ。 「…………お、おっきすぎですけど、別に悪くない、です。むしろ、気持ちいい、というか……あの、動いて貰って構いません」 「いいのか」 「だい、じょぶ、です」 『分かった』と木ノ下さんがゆっくり出し入れを始めた。 木ノ下さんは中腰という無理な姿勢で、俺の身長に合わせて動いてくれる。 大きなカリの部分が更にナカを押し拡げる。イイところを掠める度に、目の前を星が散った。控えめに言っても、痛さより快感が余裕で勝つ。 腰の動きに合わせて変化する圧迫感に蕩けそうだ。 「ぁっ、ん。はぁ、あひっ……ぁん、、、」 木ノ下さんの息遣いはあまり聞こえない。おそらく余裕なのだろう。 「いいっ……ひん……ぁ、ぁ、ぁ……あ、」 だが、段々と姿勢が辛くなってきた。足に力が入らない。膝がガクガクしている。 受け入れたいのに、身体が追いついていかない。自分の体力の無さを呪う。 「……眞那斗。こっち向け」 木ノ下さんが初めて俺の名前を呼ぶ。 初めてのセックスで名前を発するとか、色々あざとい。俺は最大級にときめいた。頭がキュンと痺れる。 「…………ふぁい、うわぁ……」 返事をするかしないかのうちに、後孔から太いモノが抜け、身体が後ろへ回転した。足を拡げ抱きかかえられた状態になる。風呂の壁についた背中がひんやりと心地よい。 「木ノ下さん、力持ちですね」 「本当は全部浮かした状態でやった方がいいが、これで勘弁な。なにじっと見てんの」 「いや、いい男だな、と思って」 「……………………ばっかじゃねえの。発情期は普段言わないことまで言うのか」 「えへ。そうみたいです」 木ノ下さんの表情が本当に男前で、惚れ惚れとしてしまう。 好きだな、と思う。面倒臭いことを面倒臭がらずにわざわざやってくれる、物好きな人。俺の愛しい、とても格好良い人。 ようやく顔が見れる。俺は強請るように唇を半開きにした。気付いた木ノ下さんが舌で応えてくれる。甘いくてほろ苦い大人のキスだ。 浮いている状態で、木ノ下さんの雄を受け入れた。やはりこの体制は腹部への刺激が大きい。ダイレクトに刺激が来る。 しかも、乳首が木ノ下さんの身体に擦れて、更に感じてしまう体位でもあった。 「んん……はぁっ、ぁぁ、あ、あん……、奥まで、はいります、ね……、ぁ、なんか来る……ざわざわって…………な、なに……」 「イくって、言ってごらん」 「……イく?……イ、ぁ、ぁ、ぁ……んっ、イくう…………、ぁん、ぁぁぁぁぁ……」 全身へ電気が走ったような緊張が走り、弛緩した。上り詰めた快感が花火の如く盛大に弾ける。 (ものすごくきもちいい…………なにこれ……なんなのこれ……やばいい…………) 何度目かも分からない液体が俺の息子から出た。ナカもピクピク動いている。

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