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トリトマは泣く
暗闇の中で、あの酷く面倒見の良い彼を、ずっとずっと探していた。
小さく掠れた音で紡いだ名前。
それが、俺の今にも壊れてしまいそうな心を、そっと優しく、それでも確かに繋ぎとめてくれている。
これが、抱擁ってやつなのかな?
だったら、それは、とても心地が良い海の波のようだ。
俺は、暗闇の中で彼の名前を繰り返し呼んでみた。
光が差すことのない真っ暗な場所で、僅かな灯火を求めて、小さな頃の俺が泣いている。
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