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26.湯けむりで目隠し 12
そして温泉を満喫したあとは、やっぱりコーヒー牛乳だろってことで……。
……ジャンケンに負けた俺がパシらされている。
売店で売っていた牛乳はこの温泉地がある山の頂上付近にある牧場から直送されてるものだそうだ。
その牧場は東海林が持っていたガイドブックにも載っていたし、時間の都合が合わないから今回は諦めた場所の牛乳だったからなんか得した気分で人数分買って帰る。
牛乳も美味かったけど、コーヒー牛乳も美味かった!
みんなでコーヒー牛乳を飲んだ後、部屋に帰る途中でアミューズメントコーナーを見つけたので、食事の時間まで行ってみることにしたのだが、そこにはゲーセンにあるようなゲーム機から温泉の定番卓球台まで揃っていたので、明日の昼飯代をかけて2vs2の卓球対決をすることに。
またさっきの牛乳のときみたく、4人でジャンケンをして分かれたところ、パーを出したのが修平と航でグーを出したのが俺と東海林だった。
修平と組みたかったけど、結果は……東海林との組だし。
東海林とかよ……って、がっくりと肩を落として落胆していると、東海林が大きなため息をついた。
「なんだよ。千秋と組かよ」
「それは俺が言いたい。なんで東海道と」
「チッ、相手チームならコテンパンにしてやるのにな」
「な、なにー! 舌打ちしやがったな。このやろー!」
なんだよ! 勝手なことばっかり言いやがって!
つか、こいつ運動とかできるのか?
卓球って運動神経が必要なのかわからないけど、修平はそんなことないが一般的に頭がいいやつっていうのは運動が苦手なものだ。俺の勝手な偏見だけど。
だからこいつがもし運動音痴とかだったら明日の昼飯代……。
やばい。なんせ相手に何でもできる修平がいるだけでやばいのに、航だって球技得意って言ってたし。いや、そもそも卓球は球技か⁉︎
俺が頭を抱えていると東海林が俺の顔を覗き込んできて釘を刺すように言った。
「俺の足引っ張ったら承知しねえぞ」
はぁ……?
「はぁ!? それは俺の台詞だし! お前みたいな頭いいやつは運動神経が鈍いって決まってるんだよ(修平を除く)」
「はぁ? 千秋こそ誰に向かって言ってんの? 俺だぜ?」
「知るかよ! なんだ、この俺様! ナルシスト! むかつく!」
「いいから俺の足引っ張るな」
「お前こそ俺の足を引っ張るなよ」
さっきまで明日の昼飯代が気になっていたけど、これは最早俺と東海林の意地の戦いなんだ。
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