「か、か、貸切露天風呂!?」 「そう、予約しといたんだ。今から60分間は２人きりでいられるよ」 「い、いつの間に？」 すると修平はクスッと笑ってドアを閉めると鍵をかけ、振り返ったと同時に俺のことを抱きしめた。 そして俺の髪にそっとキスをするようにして、抱きしめる力を強めると耳元で囁くようにいう。 「せっかく来てるんだから、千秋と２人でいたかったんだ。嫌だった？」 「……嫌なわけねぇじゃん」 今回は行動も部屋もみんなと一緒だからこうやって２人きりで一緒にいられる時間ができるとは思ってなくて、内心すごく嬉しかったから修平の背中に手を回すといっそう強く抱きしめ返された。 「千秋の浴衣姿、色っぽい」 「なんだよ。みんな同じの着てるじゃん」 「千秋が１番だよ。脱がせたくなる」 そう言って抱きしめながら俺の首筋にキスを落とす。そして舌を這わせて耳まで舐められた。 「んっ……」 「僕が脱がせてあげるから。じっとしてて」 修平は俺の茶羽織に手をかけながら、キスで唇を塞いだ。 舌が容赦なく差し込まれて歯列をなぞり、上顎を撫でられるとゾクゾクっとして体が震える。 俺は修平の浴衣をぎゅっと握りしめてされるがままで、次第に頭がぼーっとしてきた。 「んっ……んっ……ッ……」 その間にも茶羽織を脱がされてゆっくりと帯も緩められる。 「しゅ、しゅうへ……んっ、……ッ」 すごいエロいキスしながら脱がされているので一気に体が熱くなっていく。 俺の中心部はこれからの出来事を期待するかのように既に固くなりつつあって、それに気付いた修平は生地の上からそっと撫でて目を細めた。そして、修平が俺の体のラインをなぞるように撫でながら、浴衣の帯を解いてそれが床にパサっと落ちたその瞬間……。 カタッ…───。 と、帯が落ちる音と同時に何か他のものが落下するような音がして、俺も修平もその音の方を見た。 するとそこには………………。 さっき東海林に買わされたコンドームの箱が転がっていた。 一瞬にして血の気が引いていくような感覚に陥ってしまう。 「うわっ、こ、これはっ……あのっ！」 何か言わなきゃと思うも上手く言葉が出てこなくてしどろもどろになって、焦れば焦るほどに修平の視線が冷たく感じるのは気のせいだろうか。