512 / 622

26.湯けむりで目隠し 25

***** 貸切露天風呂は、さっきの大浴場とは打って変わってこじんまりしているんだけど、小さな日本庭園があって真っ赤に色付く紅葉が間近で堪能できた。見晴らしが最高なのも加えて2人きりっていうのがいい。 隣は大浴場なのでそこにいる人たちの声なんかは遠くに聞こえるものの、本日4回目の温泉は最高に気持ちが良かった。 しばらくして体が温まってきたころ、ひらりともみじが温泉の中に落ちてくる。 「あ、修平。ほら、もみじが浮かんでる」 俺が指差した方を見ながら修平も微笑んだ。 「今度は桜の季節に来てみる? さすがにこの旅館は高すぎて泊まれないかもだけど」 「俺はどこでもいいよ。また旅行に行きたい。修学旅行で行った京都にもまた行きたいし、今度は2人で行こうな」 そう言って満面の笑みで修平の顔を見ると、力強く抱きしめられた。 「うん、2人で行こう。じゃないと、嫉妬しすぎて疲れちゃうから」 「嫉妬ってさ、修平が嫉妬なんかすんの?」 「うん……今日は1日中してるよ」 そう言って俺のことを引き寄せてキスをした。 なんか修平が嫉妬するとかむず痒くて、今日は色々とあったけど少し嬉しいような気もして、修平の首に手を回すと湯が揺れてちゃぷんと音がした。 キスも最初の方はチュッチュッってリップ音がするくらいの軽いものだったのに、次第に深くなっていって下唇を甘噛みされたかと思ったら、舌が入り込んできてピチャピチャと音を立てながら絡ませあう。修平の舌は歯列をなぞり、俺の舌を捕まえると軽く吸うようにしながら舌先を食んだ。 身動ぐ度に湯が揺れて音を立てて、しっとりと濡れた修平の黒髪を指ですくようにすれば、修平も同じように俺の頭を抱えて角度を変えながら何度も舌を絡ませてきてクラクラしてしまいそうだ。 そんな糸を引くようなキスによって、また俺の下半身が反応し始めて困った状態になっていく。 「しゅ、へ……これ以上キスしたら、ヤバイ……」 「駄目。やめない」 「……だって、……ん、おれ、っ…やば……」 すると修平はキスをしながら俺の手をとって自分の下半身に手を持っていった。そしてそこを触らせるように手を添えると、耳元で少し掠れた声を響かせる。 「ごめんね。もう少し千秋に触らせて」 修平のそこはすげー固くなっていて更にドキドキした俺の下半身も一気に完勃ちしてしまった。

ともだちにシェアしよう!