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28.長いながい一日 7

その唇は、俺の唇から離れると瞼や頬などに触れ、首筋にも落ちてきてくすぐったい。 「修平……ごめ……」 でも、ごめんって言おうとするとまたキスが降ってきて、嬉しいんだけどなんか複雑だ。 ちゃんと謝りたいのになんだよ、って思ったら今度はゆっくりと舌が差し込まれてきた。 「はぅ……っ……」 いつもはもっと熱く感じていたはずの修平の舌は俺が熱っぽいからか、どことなくヒヤッとしているように感じる。 そして舌の動きに合わせて自分の舌を這わせると先端を舐められはするけど、奥まで差し込むことはせず離れた。 「…んっ…しゅう……へ……」 それがなんだか、今日は控えめな気がしてもどかしくなる。 もっといつもみたいに奥まで差し込んで絡めて欲しいのに。 やっぱりちゃんと仲直りしてないからかもしれないけど、久しぶりのキスで高揚した俺はもっととねだるように修平の腕を引き寄せた。 すると修平は俺の体に手を這わせ、シャツの上から不意に胸の突起を軽く摘むようにする。 「…んぁ…っ、あ……」 しかし、見知った気持ちよさにビクッと体がしなるとその手はスッと逃げるように離れてしまった。 いつもと違う様子になんとなく不安になった俺は、離れないようにと頭を包み込むようにして修平の髪をクシャッと軽く掴んだ。 すると、……髪の毛もいつもより固い気がして、絡まる襟足の感触もまたいつもと違う気がした。 何かが違う。 何か違和感がある。 「修平?」 これも体調が悪いからか? 玉子酒の影響か? それとも……。 しっかり見ようと閉じてしまいそうになる瞼を開け、膜が張ったようにまだ聞こえにくい耳をよく澄ます。意識を集中させてよく聞くんだ。 そんなとき、耳元で聞こえてきたのは。 「オレだったら、千秋に抱かれても構わないけどな」 その声に、一瞬にして血の気が引いた。 ふわっと浮いたようだった体は一気に地上に引き戻され、音は鮮明になる。 ぼんやりしていた頭や視界は霧が晴れたようにクリアになっていく。 「お、お前……な、なんで……」 迎えに来てくれたと思っていた修平はそこにはいなくて。 抱きしめてくれていた修平もいなくて。 ここで、俺にキスしていたのは。 ……目の前にいる、航!?

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