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1.偶然はいたずら 3

本当にどうしてあいつなんだ。 1年の時から不幸にも同じクラスの新藤はクラス委員とかもしていて、校則違反とかに厳しかったりする。(でも、言われてるのは俺だけ) いつも嫌みったらしく小言を言われる俺はできるだけ新藤とは関わらないようにして生きてきたつもりりだ。 それなのに神様は残酷で、2年でも同じクラスになってしまい……。 しかも告る女子にはこぞって新藤が好きとか言われる最悪の日々だ。 女ってわかんねぇなぁ。 性格悪くても顔とかが良かったらいいのかよ。 家に帰っても考えていた。 愛しのマリエちゃんまでどうして……。 考えても考えても答えは出ない。 ──そんな俺の生活が一変するような出来事が起こったのは、マリエちゃんに振られた2日後のことだった。 *** 「しまった!発売日なの忘れてた!!」 毎週買っている漫画が今週は土曜日発売なのを思い出した。 「たまに土曜日に出るからなぁ。紛らわしいんだよ」 ブツブツ言いながら財布と携帯をポケットに入れて家を出る。 近くのコンビニは在庫が少ないので、仕方ないから駅前の本屋へと向かうことにした。 とぼとぼ歩いていると、目の前に見知った後姿を発見する。 あ、あれはマリエちゃんじゃね? こんなとこで偶然会えるなんてやっぱ運命じゃねぇの⁉︎ ウキウキしながらマリエちゃんの後姿を見ているとやっぱり、かわいい。 やっぱり、付き合いてぇなぁ。 この間振られてしまったのに、忘れようとしていた感情がまた湧き上がってくる。 やっぱり、好きだ! 忘れようなんて無理な話だったんだ。 盛り上がって来た気持ちを止められず、またアタックだ! とマリエちゃんに声をかけようとしたとき、マリエちゃんが誰かの家の前で立ち止まった。 誰の家だろう? インターホンを押したあとのマリエちゃんの表情は強張っていて、緊張しているようにも見える。 しばらくすると、家のドアがゆっくりと開いた。 そこにいたのは…………し、し、し、新藤 修平!?

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