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1.偶然はいたずら 8
やっと起こっている状況を頭が理解して、思いっきりもがくと唇が離れた。
一瞬の隙を突いて、そのまま逃げようとするけど。
股の間に足を入れられて逃げられなくなる。
「ふざけんなっ! ……なっ……んっ」
声を上げようとしたらまた唇を塞がれた。
つか、なんで俺はコイツとキスなんか……。
「ど、…ンな…んっ……⁉︎」
どんな嫌がらせなんだよ! って、怒鳴ろうとしていた口は軽く開いていて、その隙間に新藤はあろうことか舌を滑り込ませてくる。
ちょっと待て!
勝手に舌入れてくんな! か、絡めるなぁ!
新藤の舌は俺の口腔内を舐めまわす。
なんで、人生初キスと初ディープキスがコイツなんだよ、しかも男だしよ。
新藤の舌が動くたびにクチュっと微かに音が響いた。
「……んっ」
でも、キスされた事実よりやばいことがまた起きている。
信じららないし、信じたくもない。
こんなにやられっぱなしなのに、どうして体がゾクゾクするんだろう。
あ…れ……?
でも、これなんか───…気持ちイイかも。
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