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1.偶然はいたずら 10

って、話が変な方向に行ってるが自分のおかれている体制を思い出した。 「おい、新藤!離れろよ」 俺はまだ新藤に壁際に追い詰められたままだ。 しかも、股に足を入れられたままで逃げることもできなねぇし。 「柏木はあの子が好きだったわけ?」 「お前に関係ないだろ!」 「君は本当にわかりやすいね。僕のことは好きじゃない?」 「当たり前だろ! お前なんか嫌いだ」 お前なんか大嫌いなんだ! 俺が吐き捨てるように言うとまた新藤はキスしてくる。 でも、舌が絡まると、変な気分だ。 「……っんん……ふっ…ん……」 さっき一瞬でも気持ちいいとか思ってしまったからだろうか。 鼻にかかった声が自分から出てびっくりする。 なんだコレ……。 これって俺の声か? ありえねぇ。 でも、キスされればされる程に、なんか頭がボーっとしてくる。 きっとそれは酸欠だからで、断じてちょっと気持ちいいからとかではないと自分に言い聞かせるけど力がうまく入らない。 そして暫く好きにされて唇が離れると、新藤は満足そうに笑いながら不意に俺の中心に触れた。 「なっ、なにしやがる!」 クスクスと笑いながら、獲物に狙いを定めたかのような視線で微笑んだ。 「嫌いだとか言いながらどうしてここは元気になってるんだろうね?」 その妖艶な眼差しにぞくっとした。

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