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1.偶然はいたずら 14
そして新藤の家から一目散に自分の家に帰った。
くそー! お前のせいで漫画が買えなかったじゃねぇか!
いやいや、それどころじゃねーよ。
何なんだよ、さっきの‼︎
男に、しかも大嫌いな新藤に、好き勝手されて、イかされてしまった……。
不覚にも気持ちいいとか思っちまって……。
いや、確かに気持ちよかったんだけどさ。フェラとかさ……って、いやいや待て、俺!
最悪だ……。
最悪すぎる……。
なんなんだ? 新藤はホモなのか?
俺が好きとか……ぜってー嘘だろ。
からかって楽しんでやがるんだ。
あの性格の悪さだったらそうに違いない。
自分の部屋に入ると一気に力が抜けてしまった。
全力疾走で帰ってきたら、かなり息が切れていて、そのままベッドに寝転がる。
もう、忘れてしまおう。
寝て、スッキリ忘れてもう新藤と関わらなければいい。
今までだって関わらないようにやってきた。
そうしよう。
そう思って俺は日も高いうちから眠りこけたんだ。
そして、日曜日も外に出ることなく過ごした。
これで、すべて忘れられると思ったんだ。
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