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2.忘れさせてくれない 5

俺の不審な動きに気付いた内川が、「どうした?」と俺に聞いた。 「ちょっと気分悪いから保健室行くって言っといて」 「なんだ、サボリか?」 「ちげーよ。マジで」 チャイムが鳴っている途中で俺はそそくさと教室を出て、一目散にある場所に向かう。 その間も俺は混乱したままだ。 嘘だ。嘘だ。嘘だ。 誰か、嘘だと言ってくれ────! 向かった先は保健室ではなく男子トイレ。 個室に入り、下を向く。そして目に入った状況に絶望した。 考えたくもないが、さっき新藤のことを考えていると一昨日の出来事を鮮明に思い出し、俺のムスコが反応してしまったのだ。 ありえねぇし……どうするんだよコレ。 でも、こうなってしまったものはどうしようもない。 学校のトイレなんかでするのは嫌だったが、吐き出さずには教室に戻れそうにないし。 不可抗力ってやつだって自分に言い聞かせて、仕方なく俺はモノを出してゆっくりしごき始めた。 「…………っ……」 しごきながら俺は一生懸命にかぶりを振る。 何度はらっても頭の中に浮かぶのは一昨日、俺のモノを咥えながら上目遣いの妖艶な新藤で……。 クソー、俺は可愛い女の子でヌキたいんだよ。 ブンブンとかぶりを振って新藤の顔を浮かんでは消し浮かんでは消しを繰り返す。 でも、新藤のイメージは消え去るどころか余計鮮明に思い出されてしまうのだ。 新藤のキス。 新藤の唇。 新藤の舌の動き。 新藤の手の感触。 新藤の口の中……。 「……くっ…………」 何度振り払っても消えてくれないのに、どんどん先走りは溢れ、次第にぐちぐちと音まで立てながら、手に取ったトイレットペーパーに向かって大量の白濁液をぶちまけた。 しかも、イク瞬間に浮かんだのは一昨日の行為。 新藤が俺のモノを吸い上げたことだった……。

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