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2.忘れさせてくれない 8

でも、なんでマリエちゃんはそんなことを言い出したんだろう? さっきまで新藤と話をしてたし……何か吹き込まれた? いや、まさかな。新藤が、俺が有利になることを言うわけねぇし。 でも、思い当たる節が……無い。 もしかして、朝の一件やらなんやらで1時間目に考えたマリエちゃんは……。 俺を意識し直したとか? どうやって朝の一件が絡んでくるのかはよくわかんねぇけど。 でも、いい感じなんじゃねぇの? ただただ舞い上がっていた俺はマリエちゃんとの会話を終え上機嫌で帰ってきた。 「話って何だった?」 内川が聞いてくれたものだから、俺は喜んで教えてあげる。 「これからも友達でいてほしいだって」 「友達? 彼氏じゃなくて友達なのに、なんでそんなにニヤニヤしてるんだよ」 「ん? だって、嫌われてないわけだからまだチャンスあるかな? みたいな」 「それって違うんじゃね?」 そう内川は言ったが、俺の耳には全く届いていなかった。 今はマリエちゃんに言われたことが嬉しくてしょうがなかった。 単純だけどさ、これってやっぱり嬉しいもんじゃん? そうして俺とマリエちゃんは告白前の状態に戻りつつあった。 メールしたり、たまに学校帰りにみんなで寄り道したり楽しいし。 そうやっていると新藤とのことも忘れることが出来ていた。 そんな日常がしばらく続いたある日、俺はマリエちゃんをデートに誘うことを決心したんだ。

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