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第3章 決戦は甘い賭け 1
週末、俺は勝負に出た。マリエちゃんをデートに誘う。
デートたってそんな大そうなものではなくて、友達同士の軽い感じをかもし出して行くつもりだ。
重く取られてまた友達以下に逆戻りもしたくねぇし。
でも、マリエちゃんと2人で出かけてみたいし。
俺は昼休みにマリエちゃんの教室に向かった。
「あれ? どうしたの?」
マリエちゃんは今日も可愛い。
私服とかってどんなんだろう?
「あのさ、明日か明後日とかってヒマ? 良かったら買い物でも行かない?」
「別に用事は無いけど、他は誰が来るの?」
え? 誰か来るの前提?
「いや、俺だけだけど。誰か誘ったほうがいい?」
「そういうわけじゃないけど、買い物って大勢の方が楽しくない? みんなの趣味とかわかって楽しいし」
「そう……かな?」
別に買い物自体が目的じゃないからいまいちピンとこない。
やべぇ、誰か誘わないと行ってくれない雰囲気じゃね?
でも、そんなやついねぇしなぁ……。
そう思っていたとき、後ろから俺を呼ぶ声がした。
「千秋」
この声は振り向かなくてもわかる。
なんで、こういったときに限って邪魔してくんだよ。
「何の話してるの?」
俺とマリエちゃんの話に自然と合流するお前が憎い。
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