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3.決戦は甘い賭け 2

すると、マリエちゃんの顔が赤らんだ。 「あのね、明日か明後日に柏木くんが遊びに行こうって言ってて。そうだ、よかったら新藤くんも一緒に……どうかな?」 おいおい、マリエちゃんそれは無いだろ。 やっぱりまだマリエちゃんは完璧に新藤が好きなんだろうな。 俺なんてキープの中でもそんなにレベルの高いキープでもないんだろう。 だって、俺の誘いには躊躇してたし……。 「千秋と出かけるの? 僕はお邪魔なんじゃないかな」 そうだ。そのとおりだ。 さっさと断って向こうへ行きやがれ、この変態野郎。 そう思ったのに、マリエちゃんが新藤を引き止める。 「3人で出かけようよ。大勢のほうが楽しいよ。なんならさ、遊園地とかにしない? 私、お弁当作ってきてあげるし。柏木くん、いいよね?」 弁当? その言葉に俺の耳はものすごく反応した。 弁当を作ってきてくれるということは、マリエちゃんの手料理が食べられるってこと? 俺の心のバロメーターは大いに揺れている。 本当はマリエちゃんと2人で出かけたい。 でも、それはマリエちゃんが了解してくれそうに無い(ごり押ししたら今度こそ嫌われてしまう) お邪魔虫付きならマリエちゃんと一緒に出かけられて、手料理まで食べられる。 どっちがお得なんだ!? そんな俺をチラッと見た新藤は、マリエちゃんにすまなそうな笑顔を向けた。 「その日は暇だけど、やっぱり2人の邪魔したくないし。僕は遠慮するよ」 「そっか……じゃ、私もやめようかな……」 え、え、話自体が流れそうになって、とっさに声をあげた。 「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待った!! 新藤も一緒で……いいよ」 マリエちゃんのお弁当のほうがお得だとはじき出した俺は渋々了承するしかなかった。 「本当に? じゃ、3人で出かけようよ。どこに行く?」 そしてその日の昼休みのうちに詳細が決まり、明日近くの遊園地に行くことになった。 やっかいなコブ(新藤)付きだけど……しょうがねぇよな。

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