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3.決戦は甘い賭け 4
早くマリエちゃん来ないかな。早く癒されたい。
それなのに、マリエちゃんは約束の時間を過ぎても待ち合わせ場所に現れなかった。
何か問題でもあったのかな? と、そわそわしている俺に新藤が気付いたようでまた顔を覗き込まれる。
「どうしたの?」
「べ、別に……」
「時計ばかり見てる。焦るなよ。まだ、約束の時間から5分しか経ってない。女は用意に時間がかかるから遅れるものだ」
「偉そうに言ってんじゃねぇよ。女とデートしたことあんのかよ」
「あるけど?」
「え? お前って男が好きなんだろ? なんで女とデートするんだよ!!」
俺は思いもしなかった答えに驚いてしまった。
以前なら新藤はモテるから女も手当たり次第ヤリまくりなんだろうなとか思っていたがけど。
あの一件以来、新藤は男が好きだから女には興味なく、デートとかもしたことないだろうって勝手に思い込んでいたのだ。
「別に男が好きなわけじゃない。僕は千秋が好きなだけだ」
「俺は男だ」
「わからない人だな。性別関係なく君に惹かれたと言ってるんだ。それに女には困ってない、悪いけどその点では千秋より上級者だよ」
そう言いながら微笑む新藤にさらにむかつく俺。
そうしているうちに、マリエちゃんが現れた。
「遅れちゃってごめんね。用意に時間がかかっちゃった」
えへっと笑うマリエちゃんの笑顔が可愛くて、そんなの許してしまうよ。
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