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3.決戦は甘い賭け 5

マリエちゃんを交えて3人で遊園地を回っていく。 ここで俺は大きなミスに気がついた。 遊園地の乗り物は大概が2人乗り。 普通ならコブが気を遣ってはみ出たらいいものを、マリエちゃんの提案でじゃんけんして分かれることに……。 その結果……、俺は未だに1人で乗り物に乗っている。 俺、どんだけジャンケン弱いんだよ‼︎ つか、新藤もコブなんだから気を遣えや! なんなのこれ。 何の仕打ち? これも試練なのか? そうなのか? ここから逆転するための試練だって言うのか? 遊園地に来て1人でアトラクションに乗ることほどつまらないものはないと思う。 「きゃー!!」 目の前でジェットコースターに悲鳴を上げながら新藤に抱きつくマリエちゃんなんて見たくねぇし。 新藤もなんで笑顔で答えてやがるんだ。 ちょっとは遠慮しろよ。コブのくせに。 この前、マリエちゃんにコクられたときみたいに冷たくすればいいだろ? つか、ジャンケンに参加するな。 そうやっているうちに、お昼になった。 待ちに待ったマリエちゃんの手料理だ!! 「じゃーん。今日は早起きして作ってみました」 マリエちゃんは重箱のような大きなお弁当箱に、おにぎりや卵焼き、エビフライなどいろいろなものを詰めて持ってきてくれていた。 「すげー、うまそう。マリエちゃんきっと良い奥さんになるよ!」 「そうかなぁ。ありがとう。食べよう! おなかペコペコなの」 俺が褒めるとマリエちゃんは顔をちょっと赤らめて答えてくれた。 これって好感触じゃね? 「ちょっとトイレ行って来るから先に食べてて!」 俺はこんなときにやってきた尿意を恨んだが、生理現象に楯突くわけにもいかずトイレにダッシュする。 さっさと終わらせてマリエちゃんの手料理を食べるぞ~!! めちゃくちゃ並んでいる女子トイレとは裏腹に男子トイレは空いていたので、用をたして、急いで戻ったときに事件は起こったのだ……。

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