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3.決戦は甘い賭け 11

そう思っていると、ゴンドラがやってきて乗せられる俺たち。 つか、男2人で観覧車ってやっぱり……ない。 この観覧車はかなり大きい観覧車で1周が20分くらいかかってしまう。 その間、こいつと2人とか……。すげー気まずいんだけど。 何を話せば……あ、そうだ。 さっきのマフィンのことを聞こう。 「さっきのマフィン。あれ、どこの店のマフィン?」 「あ、どうだった?」 「美味かったからどこのマフィンか聞いてるんだよ」 俺の話を聞くと「美味しかったんだ」と言いながら目を細め微笑んだ新藤。 「あれね、僕が作った」 「……え? お前が作った?」 「千秋に食べさせたくて作った」 なんだと!? アレ、めちゃくちゃウマかったぞ。 絶対に売り物だと思って疑わなかったくらいなのに。それを作ったって!? すると、向かいの席に座っていた新藤が俺のほうへと移ってきた。 「なんだよ、こっち来んなよ」 隣に座ると、新藤はそっと俺の前髪に触れる。 その瞬間、思わず体がビクッとしてしまった。 「美味しいって言ってくれて嬉しいよ」 妖艶に微笑む新藤になぜか心拍数がどんどん上がっている。 静まれ俺の、心臓。

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