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第4章 引き込まれたテリトリー 1

ついに、来てしまった。 新藤の家までついてきてしまった。 ここに来るまでの間に、家に電話して今日は友達の家に泊まると告げる。 ここでダメだと言われれば帰れたものを、「あっそう。わかった」だけで済ましやがって! 空気読んでダメって言えや! 男の子なんてこんなもんだよな……。 ため息をつきながら、来るのは2度目だけど変に緊張しながら家に入ると、新藤がにこやかに振り返った。 「おなか空いてない? 何か作ってあげようか?」 なんて、今までに見たことない笑顔で言われる。 なんとなく気迫負けして頷くと、リビングに通された。 「何がいい?」 機嫌良さげな新藤が俺を覗き込みながら聞いてくるので、好物であるオムライスと答える。 そしてテレビでも観ながら待っていろと言われたのでそうしていると、キッチンから規則正しいトントンという音が聞こえ始めた。 自分は普段料理なんてしないから、どんな風に作っているのか少し気になるけど、楽しみにしてるとでも思われても癪なので、そのままソファーで偉そうにテレビを観ていた。 次第にその音は何かを炒めるような音だったり、何かを煮詰めるような音だったりが聞こえてくるとともにイイ匂いが漂ってくる。 その匂いに反応してお腹がグ~っとなってきたころに、新藤に出来上がりを告げられた。

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