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4.引き込まれたテリトリー 8
最初はキツイと思ってたが、新藤が動くたびに良くなっていく。
次第に水音も増していき肌のぶつかる音が響いていた。
今までに感じたことのない、内側から迫り上がるような快感。
「んぁっ、ぅあっ…んっ、あぁ」
「千秋の中、気持ちいいよ」
うっすら開けた視界に、額に汗を滲ませながら切なそうに俺を見つめる新藤が映って複雑な気分になった。
吐息交じりに、俺の中が気持ちいいなんて言われて胸がきゅーっとなる感じがしたからだ。
なんでだろう、すげー嬉しくて……余計に気持ちよくなって。
目の前にいる新藤はいつものようにイライラするような態度の新藤ではなく、その余裕のない表情は俺をいっそう欲情させた。
すると、新藤は奥へと突き入れながら俺に深いキスをする。
「んっ──…っ、んぁ…」
そして、新藤は唇が離れたと同時にさらに腰を深く打ちつけながら俺に言った。
「あんな、女……やめとけよ」
何のことだよって一瞬思ったけど、すぐに理解して俺は眉をひそめる。
「な、んだよ……んっぁ」
こんなときに、女の話なんかすんじゃねぇよ。
そう思ったが新藤の話は続いた。
「あんな女やめとけ……損得で動くような女……君に相応しくない」
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