67 / 622
6.俺だけがいない 10
俺は一気に不機嫌になる。
それは内川にも伝わったようで、オロオロしているのがわかった。
「ただ帰るだけかもしれないじゃん。この間、マリエちゃんと出かけたんだろ? お前だってチャンスあるって」
内川はフォローしてるつもりなんだろうけど、フォローになってねぇし。
「別に、関係ねぇよ」
「お、おい……」
関係ないと言ったものの……やっぱり気になる。
新藤のやつ、マリエちゃんのことなんて悪くしか言ってなかったじゃねぇかよ。
それなのにどうして……どうして。
やっぱり自分が好かれてるから?
マリエちゃん可愛いもんな。
隠れ巨乳だし。
でも、あいつって俺のことが好きだったんじゃ……。
そうだよ。一晩じゅう、あんな恥ずかしいことばっかり言ってたくせに。
って、俺も何を思い出してんだ‼︎
でも、胸がモヤモヤすると同時に、
もしかして…───、もうキライになった?
そんなことを一瞬でも思った自分に吐き気すらした。
ともだちにシェアしよう!