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7.夕焼けは媚薬 4

もう少しだけと近づいてみると、新藤が何かを持っていることに気付いた。 ……これ、俺のシャツじゃねぇか。 新藤の家に泊まった日に俺が忘れて帰ったシャツ……。 捨てたんじゃなかったのかよ。 つか、なんで持って寝てるんだよ。 そんなことされてたら……。 夕焼けに照らされた新藤の寝顔。 俺のシャツを持って寝ている。 …………ヤバイ。どうしよう。 こんな気持ちになるなんて。 なんか、ムラムラしてきた。 なに、この気持ち。なんでこんな気持ちになるんだ。 自分の気持ちに整理がつかないまま本能が露わになっていく。 すげー、キスしたい。 なんて、そんなことを思うなんて。 俺が部屋に入ってきたことにも気付かないくらいだから、熟睡してるんだよな。 ……キスしても起きないかな。 普通なら絶対にこんなことはしない。ましてや、新藤相手に。 でも、今日の俺は理性とか常識とか、多分いろんなネジが緩んでて制御できなくなっていたんだ。 コイツに壊された。 キスしたくてたまらなくなるなんて……おかしすぎる。 心の片隅でそんなことを思っていたのに、体はどんどん新藤に近づいて行ってしまう。 俺はできるだけベッドを揺らしたりしないように細心の注意を払って腰掛けた。 そして、新藤の唇に触れるだけのキスをした───…。 心臓が破けそうだ。 キスしたのは自分なのに、ドキドキがおさまるどころか悪化するなんて。

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