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7.夕焼けは媚薬 6

新藤は俺を無視してベッドから起き上がろうとした。 その行動にまた胸が締め付けられるみたいに痛い。 なんで……。なんで俺だけ……。 そう思った瞬間、俺のは新藤の両腕を掴んで押し倒していた。 馬乗りになって新藤を見下ろす。 真っ直ぐに、俺をみる新藤の冷たい視線が刺さるように痛い。 また怯んでしまいそうになるけど、負けたくない。 なんで、お前はそんなに涼しい顔をしてんだよ。 ムカツク……本当にムカつく……。 俺の心の声はいつの間にか、口から出ていた。 「お前見てると、ムカつくんだよ……。なんか言えよ!」 ほぼ99%俺の勝手な八つ当たりだ。 新藤はじっと俺を見たまま、「何かって?」なんてことを言いやがる。 きっとそれで俺の感情が爆発したんだ。 ずっと溜め込んでいた感情が、噴出すように溢れてきて、それと同時に前の新藤やら最近の新藤やらいろんなことが頭の中をぐるぐると回る。 好きだって言ったくせに。 お前の方から言ってきたくせに。 俺は、俺は……。 その時、はっきりと自分の気持ちに気付いた。 ここまでこなければ自分の気持ちに気付けないなんて……。 ───俺はバカすぎる。

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