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7.夕焼けは媚薬 13
「これ、捨てたんじゃなかったのかよ?」
俺はそのシャツを掴んで、新藤に突き出しながら問いつめる。
でも、やっぱりアイツは涼しい顔でにこやかに笑いながら答えた。
「捨てるわけないじゃないか」
「嘘ばっかりつきやがって! つか、なんでコレ持って寝てたんだ?」
「千秋補給」
「はぁ!?」
全く理解できていない俺を面白がるように笑いながら答える新藤は俺を抱きしめてきた。
「千秋に触れられなかったから千秋が足りない……」
「い、意味わからん! つか、くっつくな~」
「やっぱり本物の千秋のが格段にいい匂いがする」
「に、匂いって……この変態が! つか、なんか腰に当たってんだけど」
俺の腰にゴリッとした固いものの存在を感じる。
「それは千秋の匂いをかいだから。それに千秋だって同じだろ?」
そう言って軽く撫でられた俺のそこも、主張し始めていたわけで。
だったら俺も変態か……?
でも、匂いをかいだから勃つって……。
もしかしてシャツの匂いでもそうだったのかな?
そう思ったら妙にドキドキしてしまった。
「なぁ……新藤。俺のシャツでさ……1人でシてた?」
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