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7.夕焼けは媚薬 14
俺がそう聞くと、新藤は目を細めて笑い、俺の耳元で吐息交じりに囁いた。
「…───したよ」
普通なら怒るところだろう。
勝手にオカズにされていたわけだから。
でも、俺もおかしくなってたから嬉しいなんて思ってしまったんだ。
それだけで軽くイけるくらい、愛おしくて胸が壊れてしまいそうになって、また俯いてしまった。
そんな俺を新藤が引き寄せるように抱き締める。
「ところで、千秋はいつまで僕におあずけくらわすつもりなんだい?」
「は? おあずけ?」
「今すぐ千秋を食べていい?」
こ、こいつはなんて聞き方をしやがるんだ。
赤い顔がさらに赤くなる。
俺だって新藤に触れたいけど……。
『食べて』なんて……、言えるかボケー!!
と心の中で叫んでいると、新藤の唇が触れる程度に重なる。
そして少し離すとまた新藤は俺の髪をすきながら「時間切れ……」と言って深いキスをしてきた。
「……ンッ…っ……ふぁっ」
新藤は唇から俺の首筋へと触れる場所を変える。
「んぁっ……っぁ…ンッ……」
新藤の舌が這う部分が熱い……。
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