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7.夕焼けは媚薬 16
下ばかりに気を取られていると、新藤の舌が胸の突起をまさぐった。
舐めて転がしたり、吸われたり……。
おかしくなりそうなくらい、気持ちイイ。
「し、新藤…っ、んぁっ……」
「千秋、好きだよ」
新藤がそう言うたびに体がドクンとしなる。
狂ったように喘ぐ俺を見下ろしながら満足げに笑う新藤は俺のモノを握る手の速度を速めた。
「ひぁっ、あ…っ、んっ……待、て……っ」
「どうして?」
何がどうしてだよ。
クソ、このやろう! わかるだろ!
どうして? なんて聞きながら、本当は新藤が一番わかっているんだ。
俺がどういう状況なのか……もう、見透かされているんだから。
だから、あっけない。
「そんな…し、たら……出る、から……」
すがるように新藤のシャツを掴みかぶりを振るけど、新藤は柔らかくも妖艶に微笑んだ。
「いいよ。イッて……。───…千秋」
耳元で、俺の名前を不意に呼ばれて耳を軽く噛まれた瞬間。
「っっンッあっ…───っ」
俺は、欲望の全てを吐き出してしまった。
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