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8.ひとりじめしたい 2
そして、二人で夕食を食べて(ちなみに手捏ねハンバーグ、オリジナルソース付き)、風呂貸してもらって結局泊まることに。
なんでも、新藤の両親は共働きで忙しいらしい。
2人とも朝は早く出て夜は遅いんだそうな。
だから俺が泊まっても問題ないって、なんか論点が違う気がしたんだけど。
それより今は違う問題が勃発している。
「俺は客なんだから布団を出せ!」
「一緒に寝ればいらない」
「布団よこせ! それに誰かに見られたら」
「鍵かけたらいいの?」
「そういう意味じゃねぇ!」
ギャンギャンわめく俺を見て呆れ顔の新藤は、軽くため息をつきながらグイッと俺の腕を引き寄せるとキスして口を塞いだ。
いきなりのことで目を白黒させている俺を尻目に、唇と離すとニッコリ微笑んで言う。
「千秋が初めて泊まった日みたいに一緒に寝よう」
「…………」
ちょうど良い低さの声がとても心地よく響いて、また顔を赤らめている俺はもう新藤のなすがままだ。
こんなふわふわした気持ちなんかも初めてのことで。
どうしよう、幸せかもしれない。
うっかりそんなことを思ってしまって、またどうしようもなく恥ずかしくなっていると、耳元でまた新藤が囁いたんだ。
「どうしよう。幸せすぎてどうにかなりそう」
同じ気持ちだったことに胸がドキンとはねる。
でも、悟られまいとして俺は「うるせぇ」なんて言っちまって。
俺があまのじゃくなのは、今に始まったことではないのだけど。
後で、少しだけ反省した。
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