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8.ひとりじめしたい 10

「新藤くんジュースでも飲んでね。って、あんた達何突っ立ってんの? お菓子もあるからねぇ」 「ありがとうございます」 危機一髪だった。 ガチャっという音がする瞬間に、新藤が俺のことを解放したのでバレずにすんだけど。 かなりドキドキしてるんですけど。 なのに、こいつは涼しい顔しやがって、やっぱムカつくな。 母さんは家にあったジュースとかクッキー類を置いていく。 すると、新藤が母さんに向かって言った。 「今から宿題とか勉強するので、お気遣いなく」 「そうなの? 邪魔しないのでしっかりね」 新藤に言われたからだろうか、上機嫌で部屋を出て行く母さん。 階段を下りる足音までも機嫌の良さが伺えた。 「つか、今日って宿題あったか?」 「ないよ」 「でも、さっき宿題って」 「そう言ったら普通は部屋に来ないでしょ」 そういうと新藤は部屋の鍵を閉めた。 鍵まで閉めて入念だな……って、まさか……。 「まさか、お前ここでヤる気じゃねぇだろうな」 「ん? 千秋はヤって欲しいんだ?」 「ちげーよ。そんなこと思ってねぇよ」 「僕は千秋に触れたかっただけ」 そういうと俺の首に腕を絡めて引き寄せる。 「おい、新藤」 「こんなに千秋の匂いが充満してる部屋で我慢できると思う?」 「しんど……っ、ンッ……ふっ」 言葉をふさぐように強引にされたキスがどんどん深くなっていく。 舌が絡まれば絡まるほど、頭がもうとろけてしまいそうだ。 暫く翻弄されて唇が離れたとき、新藤が妖艶に微笑む。 「キスだけで終わろうと思ったのに、そんな顔してたら止まれなくなりそうなんだけど」 「どんな顔だよ……」 「色っぽい顔」 「バ、バカヤロウ……」 「どこまでシてもいいんだろうね?」 そんなことを、俺に聞くなって。

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