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8.ひとりじめしたい 15

「印?」 「そう、僕がいつも千秋に付けてるみたいな印」 何のことかと思っていると、新藤は俺の胸元を指差した。 シャツのボタンを外してみると、そこにはくっきりとキスマークが!? 「な、なんじゃこりゃー」 「知らなかったの?」 「知らねぇよ!」 「体の至る所に付いてるはずなんだけど」 「ま、まじかよ!」 「見えないところにね」 そんなのを付けていたなんて気付かなかった。 つか、それを俺にもつけろってか? するとまた新藤は大の字になって、足を投げ出し腕を広げてベッドにもたれかかる。 「さぁ、千秋の好きなとこにつけて」 「す、好きなとこっていってもなぁ」 「どうせなら、見えるとこに付けてもいいよ」 「はぁ? そんなの……」 見えるとこになんか、付けられるかよ! でも、新藤は自分の首を指差してここにつけろとばかりにジェスチャーで伝えてきた。 そんなとこにつけたらシャツのボタンを全部しめたって隠れねぇじゃん。 絶対にからかわれるのに、新藤は急かすように俺の手を引く。 「そんなとこにつけたら隠せねぇだろ」 「隠さないからいいんだよ」 「どうして隠さないんだ?」 「“千秋の”って印だから。見せびらかしたいぐらいだし」 「はぁ?」 きっと俺が付けたなんてわかるわけねぇけど。 自分が見るだけで恥ずかしいわ!! そう思いながら渋っていると、そんなことは新藤だってわかって言っていたようだ。 「自分でつけたキスマークを見て恥ずかしがる千秋が見たい」 「…………」 やっぱりな! そう思ったんだよ。 不機嫌そうに新藤を睨みつけていると、新藤がグイッと俺の体を引き寄せた。 「わっ!」 そして、耳元で囁くように言ってきたんだ。 「お願い。付けてよ」 耳元で囁かれたら……断れなくなるだろ。

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