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10.溺れれば夢中 12
「千秋……君は僕のだよ」
そういうと、新藤は俺の首筋に舌を這わせる。
艶かしく舐めあげたと同時に、首筋に刺さるような軽い痛みのようなものが走った。
「……んぁぁっ…っ」
「もうここも尖ってきてる」
新藤は俺の胸の突起をシャツの上からまさぐると、キスをしながらシャツのボタンを外していく。
そして、新藤の舌が肌を這いながら下りてきた。
「………ん……っ」
新藤は胸の突起を転がすように舐めたり、指で弾いたり潰すようにして扱われ、そこばかり触られすぎて痛みすら感じる。
でも……。痛いはずなのに……。
それなのに、俺の中心部はさらに熱くなっていく。
「……っ、あっ……ん……っ」
まるで怒りをそのままぶつけるかのような愛撫なのに。
新藤が、たまに優しく撫でるように舐めるから腰が疼いてしまう。
その刺激をもっと違う場所にも欲しいと思ってしまう。
「し、んど……っ、もう……っ」
「言いたいことがあるなら言わなきゃわからないよ。千秋」
言えだと!? 新藤には今の俺の現状なんてお見通しということか。
でもどう言えばいいのかわからない。
乳首だけじゃなくて下も触ってくれなんて……言えねぇ。
でも、もうガチガチになりすぎて苦しい。
どうしていいかわからずに、俺が新藤に触れようと手を伸ばすとパシッとその手を振り払われた。
俺だって新藤に触れたいのに、それを新藤は許してくれない。
それだけ怒っているんだ……。
そう思うと胸が掴まれるみたいに苦しくなって、でも胸の突起や首筋に与えられるだけの快感がもどかしくて奥からの疼きが止められない。
おかしくなりそうだ。
いろいろ言いたいことはたくさんあるのに……。
伝えたいことも、謝りたいことも、他にもたくさん。
でも、新藤の舌の感触や指の感触がその言葉をどんどん奪っていく。
もどかしい快感に翻弄されて、その中心部を触って欲しくて、いつの間にか腰も揺れてしまう。
普段よりずっと乱暴なのに、頭の中身はそれだけになってしまい、気がついたら言ってしまっていた。
「新藤…っ、下も触れ……」
なのに、新藤は俺を見下ろしたまま冷たく見つめるだけだ。
「随分と偉そうに言うんだね」
温かみのない声を響かせながら、それでも新藤は俺の体に愛撫を続けた。
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