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10.溺れれば夢中 16
何度もキスを繰り返していくうちに、新藤の腰の動きも速まっていく。
そして中でまた新藤のが大きくなったような気がした。
「千秋……もう、イイかな?」
余裕がなくなってきた新藤の顔にも、掠れた声にもキュンとなる。
俺が頷くと新藤はさらに強く腰の動きを速めていった。
それと同時に、俺もまたイキそう……。
「千秋……好きだよ……っ…………っ」
そう言いながら新藤が俺の奥に白濁を流し込んだのと同時に、俺もまた白濁をぶちまけた。
「しゅうへ、い…ぁああ…───っっ」
チカチカする。ぎゅっとしがみついて快感の波に震えながら、
一瞬、目の前が真っ白になってこの世界に俺と新藤しかいないような……そんな感覚に陥った。
しばらくすると嫌でも現実に引き戻されてしまう。
敏感になりすぎた体は少し触られるだけでもビクッとしてしまうし、イキすぎて体中がダルすぎるし……。
もう何も考えたくない。
そんなとき、新藤が俺のことを抱きしめてきた。
そうだ、俺は誤解を解かねば……と、そう思ったとき。
「乱暴にしてごめんね……」
先に謝ってきたのは新藤のほうだった。
「なんだよ……」
「痛かった?」
「……い、痛てーよ。ケツも乳首も、全身痛てぇ!」
いきなり新藤が謝ってきたことに驚いて、また悪態ついてしまうのは、やっぱり悪い癖だ。
こんなんじゃ、せっかくの雰囲気がダメになって喧嘩に逆戻りなんじゃないか。
そう思ったとき、新藤の舌が俺の乳首を舐め始めた。
「な、なにすんだ…っ」
「痛いって言ったから舐めてる」
「いいよ。舐めなくて」
「じゃあ、こっちを……」
ケツの穴に移動しようとしたところを俺は必死で止めた。
「そ、そんな言うほど痛くねぇ。ちょっと俺が誇張しすぎただけだ」
「僕のこと嫌いになった?」
「なるか! ……ボケ」
すると良かったと言った新藤はまた俺のことを抱きしめてくれた。
今度こそ、ちゃんと新藤に謝らないと。
新藤の胸を軽く押し返して新藤の顔を見上げる。
「なぁ……俺ってそんなに隙あんのかな?」
「千秋は無防備だからね」
「無防備?」
「いつだって可愛い顔して僕を欲情させる」
それ、まじめな顔で言うことかよ。
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