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11.甘く溶けていく 15
こんな時どうしたらいいんだろう。
でも、ここでちゃんと伝えられなかったら、さすがの新藤にも愛想尽かされるんじゃないかって……。
そう思うと、少し怖い。
だから、ちゃんと伝えないとと思って深呼吸してからゴクリと唾を飲み込んだ。
「新藤。……ごめん。俺、食うから。本当はすげー嬉しいし……。だから…………」
新藤は何も言わずに俺の話を聞いてくれている。
唇を噛みしめながら新藤のシャツを掴んだ俺の手は少し震えていた。
「……だから……嫌いに……ならないで」
新藤の目が細まった気がした。
「そんなに僕に嫌われたくない?」
「あ、当たり前だろ!? す、好きなんだから!」
その言葉が出た瞬間、恥ずかしさとか、色んなことがピークになってもう顔をあげていることが出来なくなり、新藤の胸に埋めてしまう。
もう俺のキャパは軽く越えた。容量オーバーだ。
こんなに自分の気持ちを素直に伝えるって難しかったんだな。
でも、ドキドキしながら新藤の言葉を待っていたのに、聞こえてきたのは新藤の笑い声。
しかもかなり我慢しながら笑っているのか、埋めていた胸がヒクヒクと揺れている。
「何、笑ってるんだよ」
「ごめん。どうしよう、千秋が可愛すぎる」
「人がせっかく……」
俺が起きあがると新藤も続いてそのまま床に座り、話が続いた。
「そんなに僕に嫌われるのが怖いんだ?」
「さっきも言っただろ?」
「もう1回聴きたい」
しっとりした声で呟いた新藤はなんか儚げだった。
もし、またいつもみたいに俺が憎まれ口叩いて終わらせてしまったら、またいつもと同じだと思って、凄く恥ずかしいけど我慢して、一生懸命声を絞り出す。
「き、嫌われたく……ない」
「どうして?」
「新藤が……好きだから」
俯いて言うのが精一杯で、すげー恥ずかしくて消えてしまいたい。
新藤は手をのばすと、俺をぐっと自分の胸に引き寄せた。
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