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11.甘く溶けていく 22

頼むから起きてくれ。 全く起きる気配がないと、俺……また、キスしてしまうかも。 ゆっくりと音をたてないようにベッドに座る。 つくづく俺は学習しないやつだと思う。 また前と同じようにキスしたい衝動にかられているんだから。 ドクンドクンと心臓の音が俺の体中に響きわたるみたいだ。 そして、ゆっくり、ゆっくりと唇を重ねた。 柔らかい感触で、一気に理性の糸も切れていく。 キスをしても起きる気配がない新藤。 相変わらず、規則正しい寝息をたてている。 そしてキスしたときにわかったんだ。 確かに新藤からは俺んちのシャンプーの匂いがする。 俺のよく知ってる匂いを身につけた新藤ってのが、なんか俺の印みたく思っちゃって。 ……少しだけ興奮した。 こうなったら俺のムラムラは抑えられない。 キスよりもっと大胆なことをしてみたい衝動にかられ、今度は首に顔を埋め、首筋にキスをしてみる。 そしてゆっくりと耳に向かって舐めあげた。 そしてチラッと新藤の様子を伺うようにじっと見ていた。 「……ん…………」 新藤は少し吐息を漏らしたものの、睡眠には影響していないように見える。 そんな漏れた吐息に、余計抑えが効かなくなった俺はトレーナーの裾へと手を伸ばした。 ゆっくりと中に手を忍ばせると、新藤の腹に触れ、その滑りの良い肌に触れると我慢できなくなって、今度は舌を這わせたくなってしまう。 そして無性にキスマークが付けたくなって、吸い付いた。

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