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11.甘く溶けていく 24
布団にくるまる俺のそばに新藤が座った。
「千秋……怒った?」
「…………」
怒りとか恥ずかしさとかで、いろいろぐちゃぐちゃだ。
絶対に今だって面白がってるに違いない。
「千秋、機嫌直して」
「…………」
黙ったままでいると、新藤も俺が潜り込んだ布団の中に入って来た。
そして壁に向いて寝ている俺を後ろから抱きしめるようにして力を込める。
「千秋、ごめんね」
「…………」
それでも俺が黙ったままだと、新藤が俺のトレーナーの裾から指を滑り込ませて、腹をなぞるようにした。
「な、なんだよ」
「今度は僕の番……」
「なに、すんだっ……」
「千秋と同じこと」
そう言いながら新藤は俺のうなじに舌を這わせて、ねっとりと舐め上げる。
「ま、って……おい!」
俺はからかわれて怒ってるのに。
いつもいつも俺ばっかり焦らされてるのが嫌で、新藤が俺にするみたいにこいつを焦らせてみたいのに……。
悔しいけど、いつも新藤にはかなわない。
そしているうちに、新藤の指は胸の方まで上がっていく。
「お、俺はそこまで触ってない!」
「ここからは僕のオリジナル」
「オ、オリジナルとかいらない!」
新藤は俺の胸の突起を捕らえて指の腹でゆっくりと撫でた。
「んぁ……っ……」
新藤は俺のうなじにキスをしながら俺の胸の突起を撫でたり摘んだりする。
そして上着に手をかけて、脱がせようとして来た。
「ま、待て! ゆ、湯冷めするから!」
「僕が、溶けるくらい暖めてあげる」
「待っ……アッ…っん」
新藤の指は不思議だ。
抵抗しようとしていた気持ちもトロトロに解いてしまうんだから。
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