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11.甘く溶けていく 28

必死に新藤の腕を掴む。 「修…平、……っ、キス……した、い……んっ」 新藤は一瞬だけ動きを止めたけど、いつも以上に優しそうに微笑んで俺のことを引き寄せた。 そして、俺のうなじにキスをしながら、はぁっと堪らないような吐息交じりの声をこぼす。 「また……反則」 新藤の言ってる意味がよくわからなかったけど、俺はとにかくお前とキスがしたかった。 すると新藤は向かい合わせに座り俺を跨らせて導いていく。 「たくさん、キスしよう」 そう新藤は言いながら、俺を新藤の上に座らせるようにして自身を俺の中へと押し進めた。 「んっ……ッ…んぅ……っ」 自分の体の重みがかかり深く入りそうになって、思わず腰を引きそうになった瞬間、新藤は深いキスをして俺を逃がしてはくれない。 絡まる舌に翻弄されて力が抜けたところに、深い突き上げを受けて体はビクビクとしなる。 「んっ…んぁっ……修平……」 「千秋、好きだよ」 「俺、も……っ、好き…しゅうへ…修平…んっ…ふぁ……」 だんだん突き上げられる刺激が深く強くなる。 ちょっとでも気を抜けば頭が真っ白になりそうで、俺は必死で新藤にしがみついた。 「修…平、俺…もう、ダメ……んぁっ……イきそ、あっ、あぁ」 新藤は俺に反則だって言ったけど。やっぱりそれは違うと思うんだ。 だって、俺は必死でしがみついていたのに、あのタイミングであんな事を言うなんて……。 お前こそ反則じゃねえか。 「千秋…─────」 新藤が俺の名前を呼び、その後に囁いた言葉が直接脳内に響いて……。 俺はその言葉でイッてしまった。 俺の体がビクビクしているなか、深く深くキスをしてきた新藤もすぐ俺の中に白濁を注ぎ込む。 あいつの言葉でイくなんて。 それに、あんなこと、俺は思っていても恥ずかしくて言えないのに……。

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