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11.甘く溶けていく 30

大人しく新藤の胸に顔を埋めていると、今度は素直に従ってしまったことに妙な恥ずかしさを覚え、みるみるうちに顔が熱くなっていった。 「待て待て待て! 今日の俺はおかしいから、お前は全て忘れろ」 「無理だよ。僕は全部覚えておきたい」 「なんか……嫌だ。お前に弱みを見せてるみたいで」 新藤は「何を今更」と呟くとクスクス笑う。 そして新藤は優しく俺のことを抱き竦めて耳元で囁いた。 「恥ずかしいのは全部僕のせいにしたらいい。千秋は僕に身を任せて、僕のそばにいたらいい……」 新藤の言ってることも耳にかかる息も、何もかもくすぐったい。 「……意味わかんねー」 ダメだ。ドキドキと胸の鼓動が速くなって苦しくなってくる。 「お、俺。もっかい風呂……」 「ダメ。まだ足りない」 新藤の胸を押し返して立ちあがろうとすると、新藤は俺を引き寄せてまた押し倒してくる。 「た、足りないってお前な……」 すると、新藤の雰囲気が更に妖艶に変わった気がした。 「もっと千秋を味わいたい。だから今夜は寝かせないからね」 ……エ、エロい。 なんか新藤の目つきがエロすぎる。 そんなことを考えていたら首筋に新藤がキスを落とし、そのまま舐めあげた。 「あっ…お、いコラ! ……あぁ……っ」 ───────… ──本当にその夜。 触れあわなかった1週間を取り戻すように、寝かせてもらえないまま何度も求められ。 それに腰を振って応えてたなんて……。 我ながら新藤バカにも程がある。 そんな営みは、俺が睡魔ではなく別の方法で意識を手放すまで続いたわけだ。

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