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11.甘く溶けていく 33
これは、新藤の気持ちを先回りして解決しなければ。
でも、どうしたらいいんだろうと考えていると、新藤がベッドから立ち上がった。
「ご両親はいつ帰るって?」
「今日の夜」
「じゃあ、それまでいてもいい?」
「う、うん」
「朝ご飯作るから。天気もいいしシーツも洗濯しよう」
「洗濯?」
「昨日の、シミになってるから」
そう言われて改めて昨晩の出来事を思い出し、かぁーっと顔が赤くなっていく。
「フフッ、可愛い」
「か、可愛いって何だよ!」
「昨日の千秋もたまらなく可愛かったけど、思い出して真っ赤な顔してる千秋も可愛くて好き」
「べ、別に思い出してねぇし」
そう言いながら赤くなってしまった顔を隠そうと思って布団に潜り込もうとしたら、それを阻まれた。
「早く洗濯しなきゃ乾かないから、起きて。シャワーでも浴びてきたら?」
「動けねぇって言ってんだろ?」
「じゃあ連れて行ってあげようか?」
新藤が朝飯の支度をしている間に風呂に入るため、風呂場まで連れて来てもらった。
腰はだるい。でも、だいぶ動けるようになった俺はゆっくりと熱いシャワーを浴びる。
つか、俺は何をぐるぐると考えてんだ。
さっきの受け答えだって普通だったじゃん。
うぜー、俺めちゃくちゃうぜー。辛気くせー!
つか、めちゃくちゃ乙女チックじゃね!?
自分がキモい。寒気がするくらいキモい。
シャワーを浴びて出てくると、そのままダイニングに向かう。
良い匂いが漂っていて、お腹もグーっと鳴っていた。
それから2人で朝食を食べて、新藤が洗濯したりしているのをぼーっと見ながらずっと俺はダイニングにいたのだが。
改めて新藤はよく働く奴だと思った。
洗ったシーツだって、今日は天気も良かったからすぐ乾いたらしい。
俺のシーツを取り込む姿は若妻的な?
俺は良い嫁を手に入れたのか!?
……妻? ……嫁?
でも、あいつは男役だよな。
ん!? ってことは、じゃあ俺が奥さんか!?
俺が妻なら、とんだ超グータラ妻じゃねえか‼︎
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