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12.とびきりを届けたい 13

珍しく頬を赤らめた新藤は、視線を泳がせながら歯切れが悪い。 「千秋が僕の名前を呼ぶとさ……」 新藤は俯きながら、ため息をつき続ける。 「どうしても反応しちゃうんだよ。学校でもどこでも……」 真っ赤な顔で言いにくそうに新藤は言ったけど、でも一体何が反応するっていうのだろうか。 「はぁ? 何が!?」 すると、新藤は小さくため息をついた。 「本当にわかってないの?」 「何がだよ」 「もう、本当に言いたくないんだけど……」 また新藤は言いにくそうにもじもじとしてて、だんだん俺はイライラして来てしまった。 「もう! 笑わないからハッキリ言えよ!」 すると新藤は、俺の手を掴み自分の股間に持って行く。 「こうなるんだよ……。千秋が僕の名前を呼んでたのって、いつもセックス中だったろ? だから思い出しちゃって……」 そう言う新藤のモノは勃ちあがっていて……。 ………………。 って……えぇ! な、な、な、なんだって!? 「え! え! えぇ⁉︎ 俺が名前を呼ぶとどこでも勃つからダメだってことか?」 力なく頷く新藤……。 「つか、なんなんだよっ! わかりにくいんだよっ!」 「だってそんなこと言えないだろう?」 「俺がどんなに傷ついたか……」 「そうだね。僕のせいで千秋を傷つけた。でも、僕だって会議前に不意打ちで呼ばれて、大変だったんだからな」 「……勃ったのか?」 「言いたくない」 そう言うと新藤は俺を抱き寄せた。

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