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13.修学旅行一日目 5

気になる……。 いや、これは気にしない方がいい。 でも……。 気にしない振りをしていたけど、視界に入る修平は同じようにソフトクリームを食べながらも、じーっと俺を見ているので、やっぱり気になる。 「なんだよ」 「いや、別に」 そう言ってクスっと含みのある笑い方をしながらソフトクリームを食べる修平。 絶対、別に……じゃ、ねぇじゃん。 「なんだよハッキリ言いやがれ」 俺が眉間にしわを寄せながら言うと、修平は柔らかく微笑みながら少し俺を引き寄せて、内川には聞こえないように耳元で囁いた。 「ソフトクリーム食べてる千秋がエロくてさ」 それを聞いてハッとして修平のことを見ると、また内緒とでも言うように人差し指を立てて口元に当てる。 何言ってんだよ! つか、何考えてんだよ!? やっぱり修平が変だ。京都に来てから変になった。 「も、もう、お前は黙って食え!」 「はいはい」 顔が熱くなるのをごまかす為に、更に深く眉間にしわを寄せながらソフトクリームを食べる俺を笑いながら、修平も残りのソフトクリームを食べていた。 ───… 「つか、この季節にソフトクリームはやっぱちょっと寒かったな」 少し背中を丸めながら内川が言う。 「確かにちょっと寒かったけどさ、ご当地ソフトを食べずに何を食べるって言うんだよ」 「他にも沢山あるだろ」 「でも、まずはこれだろ」 内川と言い合いながら順路を巡っていくと、テレビや本で観たことのある金閣寺が目に入ってくる。 「うわー、めちゃくちゃ綺麗だなぁ」 それはまるで水の上に浮いているみたいだった。 水面に逆さに映る金閣も風情があっていいし、あの池の上にある島みたいなのとか、そこにある松ってどうやって植え付けてあるんだろう。 いろんなものが俺の目には新鮮に映る。 やっぱりこういうのってザ・京都という感じがしていい! 金閣寺をこれでもかと言うくらい写真に納め、他の観光客の人に頼んで俺たちも写真を撮ってもらったりしながら散策し、庭園風のところを抜けると茶室を見つけた。 何やらそこでは抹茶がいただけるらしい。 せっかくの機会だから俺たちは抹茶を飲んでみることにした。

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