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13.修学旅行一日目 7

俺たちはバスが待っている広場まで歩いていく。 金閣寺は凄かったし、ご当地ソフトも食べたし、抹茶も飲んだ。 双子たちに土産も買ったし、満足してるはずなのに……。 このモヤモヤしたものは、何なんだ!? ……いや、嘘だ。 このモヤモヤの正体は知っている。 今更だが、……修平ってやっぱり物凄くモテるのだ。 さっきだってお土産を見てるだけなのに女の子に声をかけられていたし。 遠巻きに視線を向けている人だっている。 そういうのを目の当たりにすると、本当に俺と付き合っていていいのかな? とか思ってしまう。 俺はつくづく臆病なんだと思う。 そんなこと考えたって仕方ないことくらいわかってるし、修平のことも信じてる。 でもさ、好きになればなる程にこの感情だけはでかくなる一方で参ってしまう。 俺はどんどん欲張りになっているんだ。 だから、こんな事でウダウダ考えてるに違いない。 はぁ……。 バスの席に座り、無意識にため息をつくと修平が俺の顔をのぞき込んだ。 「疲れた? 大丈夫?」 「おー。大丈夫」 なんて答えてみたが、俺の中に芽生えたぷち嫉妬心みたいなのがもやもやして消えない。 修平がこうやって心配してくれるのも、笑いかけてくれるのも、俺だけだってわかってるはずなのに。 ここが修学旅行のバスの中じゃなかったらよかったのにな……。 いやいや。きっと、さっきからバスに乗る度に修平が手を繋いでくるのが悪いんだ。 このビミョーな距離感が悪いんだきっと。 って……。俺って最悪かもしれねぇ。 修平がせっかくいろいろ考えて同じ部屋や隣の席にしてくれたのに、俺は近くにいるのに触れられないから欲求不満とかありえねぇ。 しかも修学旅行は始まったばかりなのに。 するとまた俺は無意識にため息をついていた。

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